閑話

赤松大輝という男

第3者視点です


赤松大輝という男について話をしよう

この男は、周りの同級生と距離が少し空いた状態で中学に入学した

しかし、昔から同級生との距離が空いていたかと言われればそういうわけでは無い。なんなら、小学校低学年までは他の子とも頻繁に遊んでおり、立地的には他の同級生と離れていてもそれを気にしないくらいには楽しんでいた

そう、という関係性を築けていると本人は考えていた


ある日、家でゲームをしていると冬香に宿題をしていないことを理由にゲームを取り上げられた、それまで、友達とゲームをしていた大輝としては、ゲームは必要不可欠のものだったので、宿題をしっかりとこなすようになった。ゲームを返してもらうために

しかし、大輝が宿題を頑張ったところでゲームが返ってくることは無かった。それからも大輝は風呂掃除や洗濯等の簡単な家事も手伝いをするようになった。それでも、ゲームが返ってくることは無かった

不満に感じた大輝は冬香に何故ゲームが返ってこないのか聞いた


「だって、ゲームを返したらまた宿題をしなくなるやろ?」


大輝はその答えに驚いたが、そんなことはないと否定した


「友達と遊ぶためにも返してください」


大輝は友達とゲームをして遊びたかったのでお願いしたが


「ゲームなんか無くても外で遊べばいいやん」


といって取り合ってくれない

友達は皆外で遊ぶのは苦手だから、ゲームをしている。ゲームが無ければ友達と遊びずらいという趣旨の事を冬香に伝えると


「友達に合わせることでしか遊ばれへんなら、そんなん友達じゃない!あんたが勝手に友達やと思ってるだけや!」


と怒鳴られてしまった

その言葉は大輝にショックを与えるには十分だった

当時大輝は小学校低学年、まだ何が正しいのか判断がつきづらい年齢であり、親のいうことは正しいと考える年代であった

そんな時に、友達との関係性を親から否定される。この事がきっかけで、どのような関係が友達なのか分からなくなった


冬香曰く

・学校だけで話すのは友達ではない

・相手に合わせてばかりの関係性は友達ではない

・家に電話をかけられないのは友達ではない


ということらしく、それ以降大輝はという言葉を自分から使用することは無くなった

相手と話している時に、という言葉を否定することは無くとも、誰と話している時でもという言葉は使う事が無くなり、代わりにという言葉を使用することになった

また、相手と外で遊ぶという事に対して、ひどく拒否反応を示すようにもなった

(また、相手に合わせてばかりの関係になってしまうのではないか)

という不安に駆られるようになったのだ


小学校高学年になるころには、人間不信では無いが、人との関係性に敏感になってしまい、上手く遊べない、友達という関係がどういう関係か分からないという考えに陥り、周りとの距離が少し空いている状態になった


大輝はそれでも中学に成れば、部活も始まり、何か関係性が変わるのではないかという期待を持っていた


それが、大輝が望んでいない結果として関係性が変わってしまうとも知らずに



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

主人公についての深堀会でした!

この物語が始まってから「友達」という言葉は一度も発していなかったのですが、その理由についてでした!

小学生の頃って親の言う事は絶対と感じてしまうので、やはり親に関係性を否定されると混乱しますよね

まあ、これが全てでは無いので、また機会があれば主人公深堀をしていきたいですね

あと、個人的に同級生視点の大輝についても書いていきたいと考えているのでお楽しみに!

さて!次回からは2年生編です!大輝の人間関係がどのように変化していくのか、果たして大輝は「友達」という言葉を使えるようになるのか!

色々変化があるのでお楽しみにー!

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