第10話 大輝の立ち位置
事件から3か月、あと少しで1年生が終わる
この1年を振り返ると、本当に色々な事があったと思う
特に大きな出来事としては俺の立ち位置の変化だろうか
あの事件から、俺は本当に孤立したと思う。今までも同級生との間に少し距離があったことは自覚している。しかし、話しかけられることは多かったし、話しかけて雑談をすることも多かった。だが、この3か月でその回数は激減した
まるで、爆弾を触るような、地雷を踏まないような気遣いが会話に含まれるようになり、それから地雷を気にしながらの会話が嫌になったのか、話しかけられることも無くなった
部活においても先輩たちは俺の事を見る事が無くなり、正樹のラフプレーは激しくなる一方だった
つい一週間前にはそのラフプレーが原因で、俺は右手親指を骨折した。シュートブロックではじいた球が俺の親指に刺さり折れたのだ
今まで、顧問からはシュートブロックは相手のシュートを邪魔するようにしろと言われ、無理にはじくよりも相手の視線を切る事を重視して教えられており、ボールを弾く行為をすると怒られる程だった
しかし、正樹のシュートブロックは乱暴であり、いつけがをしてもおかしくないものだったが注意されることは無かった。それどころか、俺が骨折した際も、俺が違う判断をしていたら怪我をすることも無かったと言われる始末だ
利き腕を使えなくなった俺は、普段の生活を左手で過ごすことになっていた。幸い、小学校時代に右手首を骨折したさいに、左手生活を練習したことがあったので、授業ノートから箸等の日常生活は不自由なく過ごすことが出来た
部活動では、右手が使えないなら左手でドリブルの練習をしろとのことで、俺は周りが練習している間、体育館の隅でボールをひたすらついていた
俺は、例え俺が怪我をしたとしても、俺がどんくさいのが駄目だと言われる環境に慣れてしまい、自己肯定感は下がっていた
唯一の救いとしては、俺は本の虫になったことで、学校の休み時間を暇をすることなく過ごせるようになった
しかも、俺は一つの本を平気で10回以上連続で読んだりするので、そこまで新作を買う事も無く、財布にも優しいのでお金で困ることも無かった
3月に入り、修了式を終えた俺は教室でいつものごとく本を読む
周りでは
「来年も一緒のクラスが良いなー」
「2年の担任は○○先生じゃなければいいかな!」
といった風に、2年生での楽しみをそれぞれが語っている
俺は声に出すことは無いが、正樹と別のクラスになれる事を心の中で強く願っていた
2年生になってクラス替えがあっても俺の立ち位置は変わる事は無いだろう
なんせ、この街は小さい街だ、周りは皆腐れ縁ばかりの同級生
1年生の時だって違うクラスの子が教室にいることに違和感が無かった
2年生になったって、周りはみんな腐れ縁、クラス関係なく交流がある
その腐れ縁ばかりの同級生の中で、俺はハブられる生活を送るのだろう
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という事で、一年生編は終了です
最後はこの物語のタイトル通りの終わり方をしましたね!
二年生編からは恋愛ストーリーも入ってきます
この学校内の立ち位置でどのように恋愛に繋がるのか
ヒロインはだれになるのか!一年生編の中で出てきた3人の女子から選ばれるのか、はたまた他の女子になるのか!なんなら学校外の交流で恋愛に生じるのか!
どのようなストーリーになるのかはお楽しみに!
と、2年生に行く前に今日は土曜日で2話投稿をするので、少し主人公の掘り下げストーリーを入れます
2年生編のストーリーは日曜日からスタートしていきます!
この後は20時に更新しますので、ぜひ、主人公赤松大輝について知ってください!
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