てーばん
「ご飯できてるよ。渦乃さん直伝ぶり大根! お味噌汁も!」
駆け寄ってくるエプロン姿の夜々に目と思考を奪われていると、今日の献立を高らかに告げられる。まだ一日は終わらないよ、とでも言うような元気さに、憂は自然と笑顔になった。
いきなり夜々が飛び出してきて驚かされたけれど、だからきっと間の抜けた表情を晒してしまったのだろうけれど――文句などあるはずもない。
色んな感情が、嬉しさに塗り潰される。
歓迎。
一家総出で、大歓迎。
大方母が連れ込んだのだろう、嬉々として夜々との料理を楽しんだはずだ。エプロンの下に制服を着ているということは、渦乃からの連絡を受けて夜々は店を出て行ったのだろうか。
「いらっしゃい。帰ったら夜々さんが居るなんて、夢が一つ叶った気分だよ」
「ご機嫌だねぇ憂くん。なにか良いことあったのかな?」
「目の前に」
「もー」
言いながら靴を脱ごうと足元を見た憂は、違和感に気付いた。
靴が一足しかない。夜々のローファーだけだ。てっきり氷佳達もいるものだと思っていたが不在のようである。
「夜々さんを置いてみんなどこに?」
「渦乃さん達、ちょっとお出掛けするから帰りが遅くなるって。それで晩御飯を任されたんだ」
――僕の母親は何を考えているんだ。任せちゃダメだろ、余所様の娘さんに。
などと良識派ぶってみたが、夜々が来てくれて嬉しいので、割合的にはほぼ感謝である。
しかし家族が不在ということは――つまり、二人きり。
脱いだ靴が乱れてしまったので、綺麗に並べて。
ケーキの袋を受け取ってくれた夜々と一緒にリビングへ。
「ありがとう、大変だったでしょ」
「ううん、楽しかったよ。さっきまで助っ人も居たしね」
「助っ人? 葉火ちゃんとか、三耶子さん……はバーチャル専門か」
「二人は渦乃さん達と一緒みたい。マチルダちゃんと虎南が手伝ってくれたの」
いよいよ何が起きているのか全てを知りたくなってきたが、その辺りは後日各所から聞き出すとしよう。
まあ、母が楽しんでいるのならなによりである。
大人にも青春が必要なのだ、父曰く。
バッグを床に置き、ブレザーを脱ぎながら憂は言う。
「美奈子ちゃんも虎南ちゃんも帰ったんだ」
「ついさっきね。完成間近で出てっちゃった」
夜々が棚から食器を取り出し、てきぱき食事の支度を進めていく。
憂はブレザーをバッグの上に被せ、キッチンへ移動する。
「もしかして僕が帰って来るタイミングと完成を合わせてくれたの?」
「……ま、まーまー。それは言われちゃうと恥ずかしいな」
「ありがとう。超嬉しい」
手を洗って準備に加わろうとすると、夜々が急に慌てた風で、
「あっ! ていうか私さ、当たり前みたいにここにいるけど、せっかく家に一人なんだから一人暮らし気分味わいたかったとかそういうのどう!?」
と可愛らしい気遣いを放り投げてくる。
すすす、とすり足で後ろへ下がり、エプロンの紐を解こうとする夜々。
「夜々さんさえ良ければ、居て欲しい。もうちょっと話したかったし。実は夜々さんが帰っちゃって、少し寂しかったんだよ」
「……そっか。そっかそっか」
ぎゅっと紐を締め直す姿を見て、エプロンはもう外していいのに、と憂は思った。
夜々もそれに思い至ったのだろう、照れた顔でエプロンを脱ぎ、畳んで椅子に置いた。
「ではお言葉に甘えて。私も一緒にご飯いただいてよろしい?」
「もちろん」
「ありがと。でも、その……用意したのが」
「あ、もしかして一人分しか作ってなかった?」
夜々は舌を出してあざといてへぺろを繰り出しながら、指を二本立てる。
まんまと悪戯に引っ掛かってしまった。
ちょっとした冗句。
二人分、あるらしい。
笑い合いつつ準備を済ませ、着席。向かい合って手を合わせる。
いただきます。
どうぞ。
それぞれ一回ずつ言って、箸を手に取り食事を始める。早速ぶり大根を口へ運ぼうとすると、夜々がじーっとこちらを見ていることに気付いた。
反応を見たがっていることは明白だったので、憂は焦らすことなくぶり大根を口へ放り込んで。
しっかり噛み、飲み込んでから言う。
初めて夜々が姉倉家へ来た日のことを思い出しながら。
「すごく、とても、美味しい。毎日食べたいくらいだよ」
「良かったー! 渦乃さん、私やりました!」
「本家超えてるんじゃないかな。上手く言えないけど、ちょっと違うっていうか。僕寄り?」
「私なりの工夫があるからね。隠し味が混入してるんだよ」
「混入……?」
「あっ。あー……」
そこで夜々は気まずそうに目を逸らし、頬を掻いて、憂を向き直す。
そしてやけに真剣な表情で言った。
「以上です。会見を終わります」
「終わっちゃった! 説明責任が果たされてないと思う!」
「冷めないうちに食べて食べて。まあ、冷めることはないんだけどさ」
「ほんとに何が入ってるの……?」
もしかすると水に秘密があるのかもしれない。
水が温まりにくく冷めにくいとはよく聞く話だし、憂が現時点で蓄えている知識では辿り着けない技術が施されているとか。
夜々は答えてくれないので、親切な髭のおじさんに今度聞いてみよう。
それからも揮発性の高い話題をつっつきながら、食べ終えて。
「お風呂入る? 沸かしてこよっか」
食器をシンクに運びながら夜々が言う。
「夜々さんからどうぞ」
「では、いただきます!」
溌溂とした返事を残し夜々はリビングを出て行った。ぱたぱたと軽快な足音が遠ざかって行く。
なかなかの衝撃的な展開に憂は言葉の重みを感じながら、ちょっとだけ間を置き、足音を立てないように後を追いかける。
そーっとリビングを出ると。
腕を組んだ夜々が待ち構えていた。足音を消して戻って来ていたらしい。
「来ると思ったよ」なんてジト目から軽蔑が飛んでくる。
「やましい気持ちは少ししかない。走ってたから、足を滑らせたらと思うと心配で心配で……」
「気持ちは嬉しいけど……こういうのは然るべき手続きが必要だと思うんだよね」
手続きという形式ばった言葉選びも気になったが、まるでそれさえ済ませれば許されるかのような言い方である。
憂は顎に手を添えしばし思案したのち、リビングへ戻りブレザーの内ポケットから紙を取り出して、夜々のもとへ。
そして手に持った紙――なんでも券を差し出した。
「そうじゃなくって! でもいつも持っててくれて嬉しいな!」
歯痒そうにしたかと思えば嬉しそうに。
感情の豊かさを見せた夜々は憂の腹に頭のてっぺんを押し付け、そのままリビングまで押し戻した。そして憂を見上げ、照れ笑い。
なんとも愛らしい挙動に憂は微笑んだ。
軽蔑されるという最悪の事態は回避できたようなので、ご機嫌取りというわけではないが、夜々ちゃんにケーキとコーヒーをご馳走した。
食べ終えると、夜々が袖を捲って意気揚々と宣言をする。
「洗い物は私に任せて! 小回りに自信あり!」
「そこまでしてもらうのは悪いよ。僕がやるから、夜々さんは寛いでて」
「料理って片付けまでセットみたいなとこあるでしょ? だから私がやりたいの。憂くんこそ寛ぎながら見守っててよ」
夜々は私がやると譲らない――それは憂も同じで。
だから間を取る選択を、憂から提案した。
「じゃあ二人でやろうよ。やりにくいかもしれないけど」
「いいね。そうしよ」
まるで夜々からも言い出そうとしていたかのように。
憂がスポンジで磨き夜々が泡を流し落とすという役割の分担までスムーズに済んだ。
そして二人は横並びで、わざとくっついたり押したり引いたりとじゃれ合いつつ、食器を洗った。
洗い物を終えて夜々の手をタオルで拭かせていただきながら、ふと時計を見ると、すっかり二十一時を回っていた。
時間が時間なので、このままなあなあで留まってもらうわけにはいかない。
「時間は大丈夫? 送って行くよ」
タオルをテーブルに置きつつ切り出すと、夜々も時計へ視線を遣り「あー」と残念そうに言った。
「そうだね。役目は果たしたし、そろそろ」
「来てくれてありがとう。助かったし、楽しかった」
「どーいたしまして」
夜々が言い終えたところへ。
というわけで、と憂は力強い発音で差し込んだ。
「晴れて自由となった夜々さんへのお誘いなんだけど。もうちょっと、ゆっくりしていかない?」
先程お風呂云々で調子に乗った手前この提案はどうなのかとも思ったが、そんな胸中はおくびにも出さず、憂は努めて平然と、爽やかに、気取ってみせる。
夜々は一瞬間だけ呆気に取られたようだったが、すぐにふにゃりとした笑みを浮かべて。
「してく!」
と、憂に負けず劣らずの力強さでそう答えた。
かくして、延長戦。あるいは、これから。
憂がリビングのソファへ飛び込むように腰を下ろすと、夜々も同じようにして隣に座った。右肩に夜々の左肩がぶつかってくる。
「なにしようか。三耶子さんのおかげでゲームもできるし、葉火ちゃんから借りた漫画の読み聞かせというのも」
「どっちもいいけど、のんびりしない? だらーっとテレビ見るのも結構好きでさ」
「だったらオススメの映像がある」
憂はテレビ台の元へ行き、引き出しから一枚のディスクを取り出した。
「氷佳を記録したディスク。僕がスタンド攻撃を受けたらこれが出てくるに違いない」
「スタンド……? クリスマスの定番映画?」
「スタンドアローンからのホームアローンじゃなくって」
おお、と感嘆する夜々に向けて、問いかける。
「字幕、吹替、副音声。どれがいい?」
「副音声ってなに!?」
「前に三耶子さんと作ったんだ。葉火ちゃんとのもある。今度夜々さんにもオファーしようと思ってたとこ」
「それはいいけどさ」
テンションが上がり切っている憂は、有無を言わさずレコーダーにディスクをセットして、再生する。
運動会や学芸会をはじめ、何気ない日常まで切り取った映像集、その冒頭が画面に映し出された。
ヒカデミー賞受賞作。
とりあえずは、字幕版。
急いでソファへ戻ると、床に寝転び携帯ゲーム機で遊ぶ氷佳の姿が映っていた。
「氷佳ちゃん楽しそうだね。一生懸命ボタン押してかわいー」
画面はぴこぴこする氷佳のまま、渦乃の声が聞こえてくる。
『氷佳。そろそろご飯だよ』
『セーブポイントまで待って』
そのやり取りに、夜々がくすりと笑う。
「かわいいねー。暁東もよく言うよ」
「氷佳はポケットなモンスターがお気に入りなんだ。夜々さん達の名前つけて一緒に旅してるよ」
「ひゃー嬉しー! って、あれ。ポケットなモンスターにセーブポイントってあったっけ? 私もちょっとしかやったことないけど」
「その場でできた。これは三耶子さんの入れ知恵だね」
映像が切り替わり、氷佳のこれまでが目くるめく映し出されていく。
それを見ながら、二人でだらーっと笑い合う。
のんびりとした、穏やかな時間。
いつか大人になって思い出を振り返った時、最後の方に出てくるような。
けれど決して忘れることのない。
そんな時間。
「いいね、のんびり。自分の家にいるみたい」
「自宅だと思って寛いでよ。わがままとか、あれば聞くよ? 喉乾いたとかアイス食べたいとか肩が凝ったとか」
言うと夜々が、ぽすん、と。
肩に頭を乗せてくる。
そして。
「わがまま言っちゃおーっと」
なんて悪戯っぽく言いながら夜々は体勢を戻し、憂との間に一人分の距離を設け――ごろり。
身体を倒して頭を憂の右脚に着地させた。
膝を枕にする形――つまりは、膝枕。
これでもっとゆっくり見れるよ、と画面を見たままそう言って、さらに続ける。
「撫ーでて」
「いいの?」
「えー、どうしよっかなー」
からかってきたので、憂は遠慮なく左手で夜々の頭を撫でた。
撫でまわした。
ちょっとだけ手に力を込めて髪の毛をくしゃくしゃにしてみると、夜々は「ひゃー」とくすぐったそうに笑う。
「さて夜々ちゃん。次のわがまま、どうぞ」
「んー……たくさんあって悩んじゃうなー」
声を弾ませる夜々だったが、しかし次の言葉はなかなか出てこないまま、黙り込んでしまう。
そんな夜々の頭を依然撫でながら、焦れることなく続きを待つ。
画面にはソフトクリームを舐める氷佳。右手にバニラ、左手にチョコ。たまに許される贅沢なミックス。
段々と溶けていき、白の雫がコーンを伝う。
「ありがと、憂くん。お返し、嬉しかった」
雫が落ちるのと同時に、夜々は言った。
自然と零れ落ちたような、そんな声だった。
夜々の言うお返しは、きっとどちらも指しているのだろうけれど、この場における主役は後から渡した方だと憂は結論する。
そうであって欲しいから。
実は嫌だったなんて言われたら清水の舞台から飛び上がってスペースデブリとなるだろう。
「喜んでもらえて、僕も嬉しい」
夜々が仰向けになり、こちらを見上げて微笑する。憂は気恥ずかしさから夜々の目元に手を置き視界を塞いだ。
「……もう一回。と、いうのは……あり?」
手をどけることなく夜々が言う。
目元を覆ってしまったせいで殊更口元が強調されてしまい、自然、視線が引き寄せられる。
「次は、間違えるかも」
呟くように答えると、夜々がゆっくりと起き上がり、座り直して憂を向いた。
憂と目を合わせ、首を傾げる。
「どんなふうに?」
手渡される素朴な疑問。
夜々がゆっくり長い瞬きをする。
しばし見合って。
見つめ合って。
――彼女に。
――僕は。
思考を組み上げた憂が口を開こうとした、その時だった。
視界の端――リビングの出入口あたりで何かが動いた気がして、そちらへ視線を移す。
何もいないので勘違いかと思ったが、夜々も同じ方を向いていた。
二人して同じところへ視線を置いたまま、憂が言う。
「……何かいなかった?」
「なんか動いたよね! ね!」
夜々は興奮気味で声に明るい色付けをして――直後、なにかに気付いたらしく「まさか!」といきなり立ち上がる。
そして走り出そうとしたので、憂は慌てて腕を掴み引き止めた。
危険だからというのもあるけれど、もう一つ。
憂も立ち上がり、夜々の頬にちゅっとして手を離した。
「僕が見てくるよ。夜々さんは武器を持って隠れてて」
「――っ!? っ!?」
いくら春先だからといって、幽霊まで引っ越しシーズンということはあるまい。
姉倉家には動物が入り込むことが多いのだ。ハムスターとか野生のはひちゃんとか。
だからあれは幽霊の類ではないはずだ――それはそれで恐ろしいけれども。
憂はフライパンを装備してリビングを出る。
前方を警戒しながら廊下を進む。
「たぶん憂くんの部屋に隠れてると思う。もしいるなら」
いつの間にか背後へ迫っていた夜々が、呆れた声で言った。
感覚を研ぎ澄ましていた割にあっさり背後を取られる憂だった。緊張していたぶん夜々の不意打ちは効果覿面で、憂は驚きのあまり振り向きながら夜々を抱きしめた。
――いけない。ただでさえ呆れられているっぽいのにこの醜態はまずい。
ぽんぽん、と夜々の背中を優しく叩き、離れて、取り澄ます。
「夜々さんが無事で良かった」
「び、びっくりしたぁ……」
両手で左胸を押さえる夜々に「怖がらなくても大丈夫だよ」と笑いかけ、憂の部屋の前へ。
居場所の見当をつけた理由は、勘らしい。
なんだったら危険はないとまで言い切った。
けれど鵜呑みにするわけにはいかないので、夜々にはやはり安全地帯で――と考えていたのだが。
夜々が勢いよくドアを開けて憂の部屋へ踏み込んだ。
ぱちこーん、とスイッチを叩く音がして、電気が点く。
「いるのは分かってるよ! 出てこーい!」
遅れて憂が部屋へ入ると、
「クローゼット開けていい!? 開けるね!」
夜々は返事を待たずクローゼットを開け放った。
変な物は入っていないので大丈夫なはずだが――
中には、人がいた。
マチルダと、虎南。
開き直ったのかピースサインを揺らしている。
憂は唖然と二人を見つめる。
夜々は腰に手を当てお冠。
「な、に、を。やっているのかな?」
「ご、ごめんなさいお姉ちゃん……魔が差して」
夜々の足に縋りつく虎南。
一方、共犯者のマチルダは相変わらずの無表情だ。
「まあまあ。あんまり怒ってはいけませんよ。可愛い妹の過ちじゃないですか。そもそも我々、帰るなんて言ってません」
「こんな場所にいられるか! って言ってたじゃん! 失礼だよって注意を聞き流して出てったでしょ!」
「その手の発言には「部屋へ戻る」までがセットですよ。というわけで、部屋に戻りました。私と弟子はホッグちゃんが料理に夢中なのをいいことに、玄関ドアの開閉音をわざとらしく響かせ、帰宅を偽装し、こっそりと。当然、靴も一緒に」
期せずして夜々は犯人と似たような手口を用いたようである。
それはいいとして。
「本当は一晩潜んでいるつもりでしたが、好奇心には勝てませんでした。何を見せられてるんだと思いましたが、大満足」
「見せてない。覗き魔め」憂は呆れた顔で言った。
虎南は恥も外聞もなく、夜々の足を舐める勢いで謝り続けている。
調子に乗って後悔するあたりが本当に自分と似ていて可愛らしい、と憂は笑った。
「……私しばらく二人のこと信用しない」
けれど夜々はご機嫌斜めで、ジト目に加えて拗ねた声。
それを受けた虎南が、今度は憂の足にしがみついてくる。
「謝りますから! なんとかして姉倉先輩! いや、お兄ちゃん!」
「そうですよ。こんな挙句になるなんて聞いていません」
クローゼットを出たマチルダが、珍しく焦っているのか抑揚のついた声で言いながら憂の肩をはたく。
そんな風にしばらく罪人共はぴーぴーやかましかったが、その様子を見ていた夜々が小さく笑ったのを切っ掛けに、黙って揃って頭を下げた。
「じょーだんだよ。私、マチルダちゃんと虎南のそういうとこ好きだもん。でも程々にね。次はちゃんと怒るから」
「ごめんなさいお姉ちゃん。私が師匠を止めてれば……」
「反省してます。私が弟子を止められなかったばっかりに」
ひとまずは一件落着。
不審者でなかったのは助かったが――まったく、水を差してくれたものだ。
けれどまあ、良いとしよう。
物事には順序がある。
夜々風に言うなら、然るべき手続き。
だから今日のところは、これで。
それから、家族が帰って来るまでのあいだ四人で仲良くお喋りをした。
途中で虎南が「かくれんぼでもします?」と言って。
マチルダが「正気かこいつ」とツッコんだ。
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