157.もう一度手に入れよう

 空間移動をもう一度入手することができたらそれも可能化もしれない。

 私はそれを、皆に話した。


「って、そりゃ随分と難しいな!」

「確かにそうですね……失った魔法をもう一度手に入れるというのは、かなり難易度が高い気がします」


 ココロちゃん達の言う通り、難しいだろうね。というか、自分で言っておいてなんだけど、1回消えた魔法を復活させることって、できるのかな?

 元の時代だったら、そういう情報があったかもしれないと思うと悔しいね。普段から、もっと調べておけば良かったと後悔している。


「こういう時はレベル上げがいいんじゃないか?」


 私が悩んでいると、カガミさんが言った。


「ダンジョンにレベルってあったっけ?」

「ないけど、要するにあれだ! リアルと同じで経験値的なものはあるだろ? 勉強だってやるだけ上達するし、そんな感じでモンスターを倒していけば、なんかいい感じの魔法が手に入るんじゃないのか?」


 確かにそれはあるかもしれない。消えた魔法が手に入るかは分からないけど、ここはダンジョンの未知の力に賭けるしかないのかもしれない。



 ということで、私達はあの日からダンジョン探索とコアのいるゲート探しをひたすら行ってきた。

 カガミさんは、大学生ということもあってずっとダンジョン探索をできる訳じゃなかったけど、それでも時間が空いた時には協力してくれた。


 そして時は流れ、6月になった。


「喜べ皆!」


 6月のとある平日。カガミさんが嬉しそうな表情で大学から帰って来た。

 ちなみに今でも私達は、カガミさんの家に泊まったり、留守番をしたりしている時がある。


「掲示板で情報収集していたんだけど、なんか北海道だと魔法を取得できる確率が高いらしいぞ!」


 6月に入ってから、私以外にも魔法少女スキルを手に入れる人が何人か出てきた。

 掲示板も、魔法少女専用掲示板があるくらいだ。


「おお! って……」


 私はソラちゃんを見ると、ソラちゃんは少し困ったような表情をしていた。

 そうだ。ソラちゃんは私よりもダンジョンについて詳しい。元の時代のダンジョンの知識も沢山持っているハズだ。けど、今までカガミさんの言ったような情報がソラちゃんの口から出て来なかったってことは、ガセネタなのかもしれない。


「言いにくいのですが、そういった情報は聞いたことがなく……」


 ソラちゃんは言いにくそうに、カガミさんに言った。


「あっ、そういえば未来から来たってことは、そういうことは私より詳しいんだよな」


 カガミさんは、「あ、そうか」的な感じで、腕を組んで「うんうん」と頷いていた。

 あれ? あまり残念そうな顔じゃない。


「でも、行ってみないと分からないよな! よし! 旅行だ! 旅行に行こう!」

「それが狙いだったの!?」

「ああ!」


 でも実際、この時代ならではのことがあるかもしれない。

 例えば、ダンジョンのモンスターも元の時代よりも強い。だからカガミさんがさっき言ったことも、可能性的には0じゃない。それに。


「札幌といえば、味噌ラーメンだよな!」


 ココロちゃんもワクワクしているようだし、旅行ってだけでもいいかもしれないね。

 お金に関してはあるし、まぁ大丈夫でしょ。広告収入も無事に入るようになったことだし。


「札幌か……いいな! じゃあ札幌な!」


 ココロちゃんの味噌ラーメン発言から、旅行先は札幌になった。



「新幹線か! 修学旅行で乗ったきりだ!」


 旅行日当日。私達は東京駅から新幹線に乗り込んだ。

 元の時代も電車で旅行に行ったなぁ。確か神奈川だったっけ? なんだか懐かしく感じるね。


「師匠テンション高いっすね!」


 ココロちゃんの言う通り、元の時代の師匠は旅行でここまでテンション上がっていなかった。

 私達は椅子に座ると、新幹線が駅を発車。札幌へ向かった。



 電車を乗り継いだりして、無事に目的地の旅館に到着すると、チェックインをする。


「高級旅館に泊まれて良かった! 広告収入最高!」


 実はカガミさんもUtubeに自分のチャンネルを開設して、投稿した動画がバズり、広告収入を得ることに成功していた。まだ振り込まれてないから、一応今はGさんのお金を貸している。まぁ、遠慮されないように貸しているって言ってはあるけど、返して貰う予定もないけどね。私が稼いだお金じゃないし。

 ちなみにカガミさんがバズった理由は、ボスモンスターを倒す動画を多く投稿したからだ。一応討伐講座みたいな動画もアップしたみたいだけど、それに関しては多くの視聴者に真似できないって、コメントで突っ込まれていた。


「じゃ、温泉行くか!」


 それから私達は、ダンジョン探索……じゃなくて温泉にまず入ることになった。

 そして結局、この日は旅館の料理を食べて皆で楽しく話をしただけで、全くダンジョンに行かずに1日を終えた。疲れたんだから、仕方がない!


 明日は絶対ダンジョン探索するぞ!











★★★★★

閲覧ありがとうございます!

話数的には、次回で最終回の予定です。

”話数的”には、です。


ということで、次回は今までよりもかーーーーーなーーーーーり、長い話になると思います。

3月中……遅くとも4月中には、投稿する予定です。

平日に完成した場合においても「小説家になろう」様においては「金、土、日」のどれかの曜日にアップする予定です(完結後多くの方に見ていただきたいので)

「カクヨム」様においては、完結しても多くの方が見に来るということはあまりないとのことで、先行でアップするかもしれません。


最後まで、どうかよろしくお願いいたします。

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