第15話 ポッと点く 街の灯りの 温かさ

 夜、テントを張って、空を見上げれば、恐ろしいほどの大きさになった彗星の姿。

 

 昔、ハレー彗星は、人々を恐怖に陥れる位の大きさだったと聞いている。

 こんな感じだったのかな?


 天を横切る長い尾は、禍々しい。


 何で今何だ。どうして? そんな事が、頭をよぎる。

 できれば、普通に生きて、普通に大人になって。

 そんな未来が欲しかった。


 突然、街に明かりが灯り出す。


 ――誰かが、電気を復旧させてくれたんだ。


 政府なのか、民間のボランティアの人なのか。そんなことは分からないが、こんな荒れた世界で、ライフラインを復旧させようと努力してくれている人がいる。


 電気がつけば、助かる人は多いだろう。

 

 病院だったり、信号機だったり。電気がなければ機能しない、命に係わる物は、多いから。


 この電気は、誰かからの優しいプレゼント。


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