第10話 アルテミス その狂星を撃ち落とせ

 月は、狩の得意な女神だという神話がある。


 そうなら、さっさと彗星を撃ち落として欲しい。


 とうとう、電気の供給が止まった。

 そりゃそうだよな。電力会社の人たちが、仕事を放棄して家族の元にいるならば、当然電気は止まるのだ。


 社会とは、少しずつ皆が仕事することで動いているのだから。


 電気が来なくなった街には、今まで隠れていた星々が、天空を覆う。

 地球とは、広い宇宙の片隅にあることを思い出させる。


 日に日に大きくなる彗星。

 荒唐無稽な彗星衝突話が、次第に現実味を増してくる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る