第8話 置いてけぼりを喰らった 弱者たち

 とんでもないスクープが飛び込んできた。

 世界の要人と言われる連中が、すでに地球を飛び出して、宇宙ステーションに移住してしまっているというのだ。


 ――は?


 朝のニュースは、その件で荒れまくっていた。

 どうやら、金持ちの一人が、「ステーションの食事はまずい。いっそ彗星が早く衝突して、帰れる日が早まらないか」と、間違えてSNSで呟いてしまったのが事の発端。


 そこで炎上したその金持ちは、悪いのは俺だけではない、某国の大統領も、首相も、俺と一緒にステーションで過ごしていると言い出した。


 そこで、勇気あるジャーナリストが、調べあげた結果、世界中の要人が、すでに何らかの方法で地球外に逃げ出した後だということが、発覚したのだ。


「俺たちがいなくなれば、彗星が衝突後に世界は大混乱になる。だから仕方ないんだ!」


 そう開き直る『要人』達。

 信じらんねぇ。あいつら、世界を見捨てて、どこの要人になるつもりなのか。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る