第199話 旅望 -温泉プリン-
とろーんと溶けたよな表情で明花が僕の顔を見ていた。
その顔は、上気している。
長い長いキスをして、僕らは息を乱していた。
つーっと、お互いの唇を繋ぐように糸が垂れる。
「尚弥」
「明花」
僕らの視線は、外れることがない。
そして、もう一度キスをする。
お互いの舌が絡み合う。
部屋中に、卑猥な音が鳴り響いている。
お互いに、お互いの唇を求め合った。
僕の中で、欲求が衝動に上書きされていく。
僕の手が、明花の双丘へと吸い込まれていく。
柔ら中な感触が、掌を支配する。
「ダメ…尚弥」
唇を離して、明花がそう言った。
僕は、ピタッと触るのを止める。
「いやだった?」
「嫌じゃないよ…そうじゃなくて…あのね、お風呂…」
よく考えたら、母さんたちが帰ってから着替えただけでシャワーすら浴びていない。
窓の外は、夕日が沈もうとしていた。
ティラミス《おやつ》を食べてから、長い時間キスをし続けていたらしい。
「あ、うん。行ってらっしゃい」
「尚弥も…一緒に入る?」
「え?」
恥ずかしそうな顔をして明花が聞いてくる。
でも、それを聞いて…。
「じゃあ、一緒に入ろうか」
「…うん」
僕の中の欲求が、衝動に上書きされていた。
一秒も明花から離れたくない。
そんな気持ちが出てきていた。
僕らは、そのまま脱衣所へと移動した。
「尚弥…先入ってて…すぐいくから」
「うん、分かったよ」
僕は、服を脱いで浴室に入る。
背後に、じゅるりと音が聞こえた気がしたけど。
湯舟は、少し前に溜めている。
僕は、壁側にいあるシャワーの前に行き、バスチェアに座りながら髪を洗う。
そうしていると、ドアが開く音がした。
そして、すぐに背中に衝撃が来る。
衝撃と共に、柔らかな感触もあった。
「うん、尚弥の背中やっぱりガッチリしてるね」
「えっと、明花?」
「背中洗ってあげるね」
小さな手の感触。
髪を洗っているからよくわからないが、明花が洗ってくれているのは分かる。
「尚弥、腕は日焼けしてるんだね。タンクトップ焼けだね」
「うん、明花もだよね」
「私は、ユニフォーム焼けだから脚の方もだけどね」
やがて、僕は洗い流す。
そして、振り返る。
そこには、素肌を露わにしている明花が立っていた。
確かに、腕や脚は小麦色に焼けていた。
「尚弥、そんなに見られると恥ずかしいよ」
「あ、ごめん」
僕は、バスチェアから立ち上がる。
そして、そこに明花が腰を下ろす。
「じゃあ、今度は僕が明花を洗う番だね」
「え?私はいいよぅ」
「そう言わずにね」
僕は、明花の身体を洗う。
華奢な肩。
きめ細やかな肌。
ボディソープの泡立ちがいい。
やってもらったから代わってみた物のドキドキするな。
やがて、身体を洗い終わり僕らは湯舟に浸かる。
うちの湯舟は足が延ばせるし、2人で入っても優にスペースがある。
少し離れた位置に、僕らは入った。
「えへへ、やっぱ恥ずかしいね」
「うん…でも、前から一緒に入ってみたかった…かな。
ここ、広いから1人だと広いし…明花とはいつも一緒に居たかったし」
「嬉しい、じゃあ…これからも一緒に入る?」
「うん…あはは、やっぱり恥ずかしいな」
僕らは、お互いに顔を合わせることが出来ずにしばらくゆっくり入浴をするのだった。
その後、結局僕は明花に美味しく召し上がられた。
うん、彼女の性欲が凄かったとだけ言っておこう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます