第151話 旅懐 -S.A1-
S.A(Side Ageha)です。
今まで、第1部でSSを書かなかったのはメインヒロインである明花が登場していなかったからです。
また、第1部は『謎』を多く配置しています。
第2部は、ここからかなり平坦な日常に入ります。
その為、明花サイドのお話も含んでいきます。
実は、第3部の内容にも関わりのある話があったり…。
では、スタートです。
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尚弥と職員室前で別れて、階段を登り3階へとやってきた。
やってきたはいいけど、足が重い。
ううん、気が重い…かな。
クラスの子達になんて言われるだろう。
怖い…助けてよ…尚弥。
すっかり、尚弥の事を想うのが癖になっている事に気づいて、少し笑いが込み上げてくる。
うー、尚弥と言えば。
大丈夫かなぁ。
ライバルが増えそうで怖いなぁ。
尚弥、カッコいいから。
うー、でもでも私の彼氏だもん。
きっと、大丈夫…だよね。
私は、重かった足がいつの間にか軽くなっているのに気付いた。
それでも、ゆっくり教室へと向かって歩いてはいた。
『2-C』と書かれたプレートが見える。
私は、深呼吸をして教室へと入る。
教室中の視線が集まる。
尚弥を職員室に案内する為に少しだけ遅めに教室にきたからクラスメイトが集まっている。
「明花!」
「あ、美加」
私を見つけて、美加が窓側の自分の席から駆け寄ってくる。
彼女は、風見 美加。
私の幼馴染みだ。
腰まで伸びた長い黒髪が特徴の清楚なイメージの女の子。
美加は、私に抱き着いてきた。
私は、咄嗟に抱きしめる。
「おっと、美加。危ないよ」
「えへへ、もう心配したんだからね」
「えっと、ごめん」
美加には、詳しいことはなにも話していない。
というよりも、尚弥の事で頭がいっぱいで忘れていた。
だから、修学旅行のあの日に会ってから今日まで連絡を取っていなかった。
私は、自分の席である教室の真ん中へ向かう。
荷物を机の横のフックに掛ける。
「なんで、連絡くれなかったの?」
「えっと、いろいろあって」
「明花のお家に行ったら引越したって言われたし。
もう、会えないかと思ったんだよ」
「ごめんね、新しいお家駅前なんだけど引っ越しで忙しくて」
美加には悪いけど少しはぐらかそう。
流石に、尚弥の家に連れて行くことは出来ないし。
「それで、どうなったの?」
「あー、それ私も気になる」
周りの
これがやだったんだよ。
はやく、ホームルームはじまらないかな。
尚弥、助けて。
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