第36話 旅愁2 -大阪-

身体の痛みを押して僕は大阪へと向かったんだ。

そして、素泊まりのビジネスホテルを取り自転車を置いて夕飯を食べる為に夜の街に行ったんだ。

僕は、その後裏路地で半グレにボコボコにされた。

顔は痣だらけになった。

財布の中身も盗られちゃったんだ。

まあ、その時にはちょうど中身がなかったんだけどね。

ホテルも前払いだったから。

唇も殴られた所為で、切れたいたから。

結局、ご飯も食べれそうになかったんだ。

僕は、大阪ではあまりいい思い出はなかった気がする。


次の日。

僕は、ATMで預金を下ろした。

ちょうど月初めだったことを思い出した。

前日が、給料日だったんだ。

僕は、その日フェリーで四国を目指した。

そして、僕は大阪港へと向かった。

のびのびスペースといえるゆったりした場所で僕はだらけていた。

身体中痛すぎて。

そんな時だった。


「坊主、喧嘩か?」


凄くガタイの良い黒い野球帽を被った男性が僕に話しかけてきた。


「・・・カツアゲされまして」

「そうか。坊主はどこまでいくんだ?」

「四国を自転車で一周しようかと」

「お!いいねぇ。なら俺と行かねえか?

俺も目的が同じなんだ」


何が目的なんだろうと疑いながら僕は彼を見た。

そんな視線に気づいた男性は僕にカード状の物を見せてきた。


「ああ、悪い。俺は、こういうもんだ」


そこには、『陸上自衛隊身分証明書』と書かれたカードがあった。


「え」

「ああ、夏期休暇でちょっと訓練代わりに四国一周サイクリングでもしようかと思ってな。

旅は道連れっていうだろう。

どうだ?一緒に」


そうして、僕は久瀬原 時雨と出会った。

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