第33話 旅愁2 -鈴鹿-

名古屋を出た僕は、鈴鹿へ向かったんだ。


鈴鹿には、大きなキャンピング施設があるらしくてね。


だから、前日に予約を入れておいた。


自転車のハンドルにはスマホをセットできるようにホルダーが付いているから、そこにスマホをセットしてナビを使っていた。


この頃、節々が異常に痛かった。


でも、筋肉痛はもうほとんど起こらなくなっていた。


名古屋から鈴鹿までは、おおよそ50km。


今までで一番長い距離になった。


朝早い時間だが、暑い。


休憩をこまめにとりながら、僕は鈴鹿へと向かった。


海を望みながら自転車を漕いでいく。


海風が気持ちよかった。


まあ、少し風が強いけど。


夕方。


僕は、鈴鹿サーキットに辿り着いた。


ここに、キャンプサイトがあるらしい。


区画サイトを予約してから自分のテントを使用する。


近くにホテルとキャンプ宿泊ゲスト専用の天然温泉があった。


夜はそこで入浴をした。


和紅茶を使用したシャンプーやボディソープがあって結構香りがよかったな。


開放的な露天風呂と浴場があって、だいぶゆっくりできた。


足を伸ばして入浴するのはとても久し振りだった。



「鈴鹿サーキットって、よく8耐とか行われるところ?」

「そうそう、ちょうどその鈴鹿8耐が再来週くらいで開催だったから少し空いてたんだよ」

「そうなんだ、じゃあちょうどいいタイミングだったんだね」

「うん、そうだね。でも、少し遊びたいって思っちゃった」


僕がそう言うと、未桜は少し首を傾げていたがパーッと明るい顔になる。


どうしたんだろう?


「じゃあ、尚弥くん。いつか、私と遊びに行こうよ」

「未桜と・・・うん、いいね。行こう」


僕らは、そうして約束をした。


未桜と一緒ならいろんなところに遊びに行きたいな。


「そうだ、来年。車の免許取ったらいろんなところ行こうよ」

「うん、車の免許・・・私、誕生日1月だから凄い後になっちゃう」

「僕は、4月だから年明けくらいから教習所いけるかな」


未桜の誕生日は、1月なんだ。


じゃあ、これからお祝いできるんだな。


いろんな未来の話が出来て嬉しいな。

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