第29話 報復 -監視の目(未桜)-
許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せないユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイ・・・。
尚弥くんの好意に甘えて、好き放題してそれでこんな仇で返すなんて。
地獄の果てまでも追ってやる。
私は、前嶋 瀬里が逃げたと聞いて急いでクラウド上に置いておいた彼女のスマホのバックドアを起動した。
あの女が、不良グループの男と付き合いだした頃からいつか罪を償わせるために仕掛けておいたものだ。
ここで、得た情報は先日お義母さんに渡した。
今まで、犯罪めいたことをしてきた証拠として。
バックドアを利用して彼女の現在位置をGPSで探知する。
病院を出て、あの男の元に向かっているみたいだ。
まあ、もう本人は捕まっているから彼の家には入ることはできない。
「お義母さん、これ」
私は、尚弥くんのお母さんにスマホを見せる。
彼女は、目を見開いたが飛び切りの笑みを浮かべた。
たぶん、お義母さんは私と似ている。
「うふふ、未桜ちゃん。
貴女最高よ」
お義母さんは、私の事をギュッと抱きしめてくれた。
人にこうして抱き締められるのは随分と懐かしい。
自分の両親ですらそんなことをしてくれない。
「刑事さん、前嶋 瀬里のスマホのGPSを確認して」
「え?前嶋さんよろしいですか?」
「あ、はい。娘とはいえ犯罪行為に手を染めているあの子は罪を償う必要がありますから」
刑事さんは、それを聞くと自身のスマホで連絡と取る。
やがて、5分ほどで連絡を入れ終わった。
「どうやら、GPSの電波が発信しているようですね。
これなら、すぐに捕まえることができるでしょう」
私は、小さくガッツポーズをした。
それが見えているのは、お義母さんだけだろう。
彼女が、微笑んでいた。
そして、私にウィンクをしてくれた。
よかった、私の役に立たなかった特技が役に立って。
でも、これからは自重しなきゃ。
尚弥くんを追いかけて行った京都もひそかに忍ばせて置いたバックドアのおかげだったりする。
もう、誰にも尚弥くんを取られないようにしなきゃ。
私だけの尚弥くんにしないと。
----------------------------
ヤンデレ未桜・・・この先もいっぱい登場します。
次回、尚弥視点に戻ります。
報復 -追跡-へ続く。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます