第26話 報復 -作戦会議1-

僕と未桜は、そのあとスポーツジムへと向かった。


現状が、少しだけ変わったから母さんに相談するためだ。


電話でもよかったのだけど、自宅にいると突撃されそうな気がしてならなかったからだ。


スポーツジムに着くとその足で事務所へと向かった。


事務所のドアをノックする。


そして、事務所の中から小さな声が聞こえた気がした。


ガチャっとドアノブを回して事務所に入る。


「あら?尚弥に、未桜ちゃん。

いらっしゃい、どうしたの?」


「実はさ、起きた時に前嶋のおじさんから電話が来てさ」


それから、僕は母さんの事のあらましを話した。


そして、母さんもその後、涙を流しながら笑った。


「あはは、可笑しい。

バカだバカだと思っていたけどそこまでバカだったとはね」


母さんの感想も僕らと同じだった。


そりゃあそうだよな。


「先に電話掛けてもいい?警察にも情報提供しとくわ」


「うん、それは確かに」


ずさんな設定だから、それに騙されることはないとは思うけど流石に警察では記憶については分からないと思うからなぁ。


それから、母さんは警察に電話を入れた。


その結果、しばらくの待ち時間が生じることになった。


僕らは、その待ち時間を利用してファミレスに行くことにした。


ファミレスは、低カロリー・高蛋白質な料理や食物繊維を豊富に使った所謂ダイエットにオススメなメニューがあったりする。


筋肉を作るのにもオススメでスポーツジムに通う方には大人気だ。


もちろん、それ以外にも普通のメニューもある。


「尚弥くん、そういえば昨日のお釣り返せてないから今回は私が払うからね」


「え?別にいいのに」


「そう言うわけにはいかないよ、私は尚弥くんのお財布が好きなんじゃなくて、尚弥くんが好きなの・・・だからね」


僕のお財布か・・・そうだよな、前嶋さんと未桜を一緒にしちゃダメだ。


僕は、変わらなきゃ。


「うん、わかったよ・・・ねえ、未桜」


「なあに?」


「えっと、僕が間違えたら教えてほしい」


「うん、ビシバシ行くからね」


未桜は、笑っていた。


そのあと、僕らは料理を注文した。


僕は、豆腐ハンバーグとささみのグリルに16穀米のライスセットにした。


未桜は、低糖質パンのトーストと豆腐とアボカドのサラダを頼んでいた。


ご飯を食べていると登録してあったアプリのニュースの通知が上がった。


通知には、『覚せい剤取締法違反の罪で前嶋 茂を現行犯逮捕』と書かれていた。


「ねえ、未桜。これ」


「あ、うん。私の方もちょうど通知来たよ」


「まあ、あり得るとは思ってたけど・・・よく、それで警察病院にいたよね。あの人」


「うん、普通考えたら逮捕される可能性があるって思うのに」


「バカだよね」と二人で言い合った。


さて、そうするとまた状況が変わってしまった。


たぶん、もう少し待機になりそうだな。


僕らは、そのまま朝ご飯を堪能した。

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