第16話 旅愁 -地元-

「そう言えば、新藤くんはその間にこっちであったことって知らないの?」


「ん?なにかあったの?」


「それ、私らからでいい?」


そういって、別のルームにいたであろうクラスのギャル組がやってきた。


僕の身体がガクガク震えだす。


「尚弥くん、大丈夫?」


「う、うん」


「ありゃりゃ、これは・・・よっぽど瀬里のトラウマが激しいみたいだね」


そう言って、困った顔をするギャルたち。


その時だった。


未桜が、僕の腕に抱き着いてきたのは。


「尚弥くん、私がそばにいるよ」


そう言われた瞬間。


身体の震えが治まった。


「えっと、未桜嬉しいけど。ちょっと困る」


「嬉しいんだ、そうなんだ」


また、未桜がニヤニヤしてる。


「えっと、お二人さん。

そろそろ、続きいいかな?」


「う、うん」


ギャルは、3人ほどいた。


確か、見たことがある。


「前嶋さんとよくつるんでた・・・」


「うん、あははごめんね。新藤」


「いや、それでなにがあったの?」


「あいつさ、ヤバ目な奴らと8月の頭位からつるみ始めたんだわ」


ギャルが言う、ヤバめって相当ヤバいってことだよな。


「売人とかしているって言われてるグループらしい。

クラスのやつらも絡まれてるらしいんだわ」


「相当ヤバいね、それ」


ルームにいるほかのクラスメイトも暗い顔をしていた。


この一か月の間に、こっちでもいろいろあったんだな。


一か月前と言えば名古屋についた頃かな。


あの時もいろいろあったな。


「一か月前ってさ、ちょうど名古屋についた頃なんだけど。

そこで、前嶋さんから電話があったんだ」


僕がそう言うと、視線が集まる。


そして、僕は名古屋でのことを語り始める。

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