第14話 旅愁 -蒲郡-

加賀美さんの家にお世話になって2日が経って僕は旅を続けることにした。


筋肉痛もだいぶ楽になった。


でも、あまり長距離はやめておこうと思った。


豊橋からだと西は、たしか蒲郡ということで蒲郡を目指すことにした。


「加賀美さん、二日間お世話になりました。

自転車の事、旅の指南いろいろありがとうございました」


「尚弥、旅が終わったらたまには顔見せに来いよ。

歓迎するからな」


「はい、ありがとうございます。

では、行きますね」


「おう、頑張れよ」


僕は、加賀美さんに別れを告げて旅に出た。


フルチューンされたマウンテンバイクは、この間までとは全く違って走りやすくなった。


流石自転車屋さん。


僕は、加賀美さんの家にお世話になっているうちに持参していた夏休みの課題を半分近く終わらせることができた。


旅の間に、夜時間を使ってゆっくり終わらせた。


豊橋から蒲郡までは20km前後くらい。


ゆっくり行ってもお昼くらいまでには着きそうだ。


出る前に、検索をしたら魚料理を食べれる施設と遊園地があるらしい。


お昼は、魚料理を食べよう。



「魚料理って何を食べたんだ?」


「お昼は、浜焼きBBQをしたよ。

これ写真ね」


写真には、大あさり、牡蠣、アヒージョなど数点の炭焼きの様子が映し出されていた。


最初だったから割と贅沢してたなぁ。


「美味しそう・・・お腹空いたな」


「じゃあ、みんなで摘まめるパーティーセット頼もうぜ」


そう言って、男子達がルームに備え付けの受話器で料理を頼みだした。


少しすると、テーブルの上にはポテトや唐揚げ、ピザ、オニオンリングなどと女子たちが生クリームやアイスが盛り盛りになっているハニートーストがそれぞれの前にあった。


どんだけ、食べるんだよ。


まあ、よく考えたら昼時だったな。


「その日は、どこに泊ったんだ?」


「たしか、森の中にあるキャンプ場だよ。

ご飯前に管理事務所に連絡して予約したんだよ。

キャンプ場って、管理事務所に連絡すると使えるようになるんだよ。

場所によっては有人だったり、無人だったりするんだ」


「へぇ、そんな感じになってるんだ。

ロッジとかは流石に当日は無理だろ?」


「あれは、予約取れないと無理だし。

高いからね。

ビジネスホテルに泊まったのは数日くらいだったと思うよ」


大きい都市に行った時だけは、ビジネスホテルに泊まった。


流石に、テントは使えそうになかったからな。


「あれ?新藤くん、お風呂はどうしてたの?」


「あー、えっと。夏場だし海とか川とかが多かったかな。

たまに日帰り温泉に行ったこともあるよ」


「自転車旅行って大変だね」


女性にはかなりつらい物だと思う。


まあ、男でもそれなりに大変だけどね。

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