第13話 旅愁 -達人-

加賀美さんのお家でお邪魔した僕は、旅の心得を聞いたんだ。


まずは、泊まるところおすすめはキャンプ場。


でも、そう言うとこが無いようなら野宿として道の駅と川辺・河川敷で、公園で野宿する場合は遅い時間から朝早い時間の短い時間にするといいと言われた。


ただ、野宿の場合はセキュリティがないのであまりお勧めはできないしトラブルになる危険性があると教えてもらった。


僕は、無計画に旅へ出たのだと思い知らされた。


旅を始めたその日に加賀美さんに出会っていなかったら僕は心が折れてすぐに家に帰っていたんだろうな。



「あれ?新藤くん。

ご飯はどうしてたの?」


「えっとね、僕さ。旅に出るときに10万円位持ってたんだけど」


「は?10万!」


「うん、実はさ。

僕、前嶋さんに毎月10万円くらい奢らされていて・・・バイト代の大半が消えてたんだよね」


「毎月10万もあいつは何に使ってるんだ」


僕も良くそんな大金を彼女に使っていたと思う。


恋は盲目と言うし。


「化粧品とか服とか、ご飯とか割と頻繁だったかも。

急に買い出し頼まれて、でもお金貰ったことなかったかも」


「新藤くん・・・お財布扱いされてただけなんだね。可哀そう」


女子になぜか頭を撫でられる僕。


なんか、涙出そう。


「とりあえず、そのお金があったから割と食道楽できたりしたんだよね。

一日一食は名産品食べてたかな。

でも、基本は朝食パン買ってジャム塗って食べたり、お昼が名産にして、夜はコンビニでカップ麺買って食べてたかな」


とても、栄養はよろしくなかった。


まあ、その所為もあってか体脂肪はなかなか絞れていたかも。


「飲み物とかは?」


「コンビニで2Lの水を毎日買って、スポーツドリンクも都度飲んでたよ」


その辺りは、加賀美さんに教えてもらったことだ。


水は欠かさず摂って行けと。


多いときは、2Lと二本とか買った時もあったな。



加賀美さんの家には結局2日お世話になったんだ。


実は、次の日ひどい筋肉痛になってさ。


加賀美さんには、大笑いされちゃったよ。


でも、その間に自転車を改造してくれていたらしくてマウンテンバイクに荷台が取り付けられていた後ろに荷物を掛けることができるようになったんだ。


そのおかげで、リュックを背負わなくてよくなったからだいぶ楽になった。


今度、加賀美さんにはお礼を兼ねて会いに行かなきゃ。


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