第5話 初旅 -未桜-

「えっと、新藤くん」


「なに?篠田さん」


僕の横に、彼女は腰を掛けていた。


今いるところは、とても狭いので仕方ない。


「未桜でいいよ」


「そう?じゃあ、僕も呼び捨てでいいよ。

よろしくね、未桜」


「うん、尚弥・・・くん」


「あ、それで?」


「前嶋さんと一緒にいなくていいの?」


「いいんだよ・・・僕、瀬里にフラれたんだ」


「え?ウソ!」


彼女は、僕が言ったことにとても驚いていた。


そんなに驚く事かな?


「嘘じゃないよ・・・僕は、終業式の日。

瀬里に告白してフラれたんだ。

それで、自転車旅行にずっと行ってたんだよ・・・失恋旅行ってやつ」


「そうだったんだ、ごめんね。

辛いこと聞いて・・・じゃあ、尚弥くん。

私と友達になってくれる?」


「僕でよかったら」


そう僕が言うと未桜は、僕にスマホを差し出してきた。


なんだろう?


「ふふ、じゃあ連絡先交換しよ」


「ああ、連絡先か。いいよ」


僕は、自分のスマホを取り出して彼女と連絡先を交換した。


未桜は、嬉しそうな顔をしていた。


僕と交換してそんなに嬉しい物なのかな?


「えへへ」


そんな笑い声をあげていた。


逆に不安になるな。

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