第2話 左様か小夜か

 帰り道。「星が綺麗」と笑う君

        「月も綺麗」と言えない私



止まってる ように思って 手を伸ばす

      冬のオリオン 去年と変わらぬ



       暗い部屋 硬く冷たい床の上

    窓から見つめる 月が愛しい



丸い月 明日から痩せて 羨ましい

       昼間の甘味を 悔やんで遅し



      木々の影 隙から覗く 藍の空

    濃い闇でこそ 愛しい虫の



   求めても 夜空の星は 落ちてこない

 三度唱えて ぼたもち頬張る

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