空と嘘つき【第1回カクヨム短歌・俳句コンテスト短歌の部】

おくとりょう

第1話 彼は誰時から

 火かりて 紫煙たゆらし うだる朝

         風がくすぐる 君の横顔



 仰ぎ飲む 波うつ白い 喉の君

    えっちだなぁって 思うの私



 つるし柿 並ぶ軒先 朝の道

    甘い夢見て 駅へと歩む



    つり革を 掴めば覗く白い肌

   昨夜の痣を 静かになぞる



    目が覚めて 暗い部屋にて 耳すます

  遠くの小鳥と 隣の奇声



      桃源郷 誰も居ぬなら 君は去る

 天の巻軸 吊るなら竿に

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