第四章 座
第四章
テレビはコメディ番組を流していた。いつも見るような芸人とタレントがトークをしそれ聞き見ていた。廊下を誰かが歩いていく。
「おい、どこいくんだ?」
それは玄関へと向かう自分の娘だった。思わず声をかけたが思春期の彼女にとっていい声の掛け方だったかと後悔した。
「友達と映画見に行ってくる」
「あぁそうか。遅くならないようにな」
やけに粧した娘の答えは違和感しか覚えなかった。彼女はそのまま玄関へと向かった。目線はテレビへ戻った。
「落ち着いて」
誰へ発したもわからないように妻が新聞を読みながら言った。
「なぁ母さん」
「なによ」
「本当に友達と思うか? またあの男と会ってるんじゃないか?」
「いい? お父さん。今黙って見守ればいいのよ」
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