第52話 サツキの体調異変

 神聖魔法の習得が終わってからも、直ぐにはマルグリット共和国へ帰国はしなかった。

 帰国する準備をしてる時に、私が体調を崩してしまったのが理由だった。


 数日の間ベッドでに横になったけど、気分が悪いままで食欲もないので滞在を続けるしかなかったの……


「デッカートごめんない……早くレンドルド王国へ戻りたいよね」

「そんな事は気にしないで、私にとってサツキは祖国以上に大切なんだ。今は体調を戻す事だけを考えよう」

「ありがとう、愛してる……」


 神聖魔法を習得したらレンドルド王国へ渡って、深淵の森を浄化する予定だった。なのに体調を崩した事が申し訳なくて涙が溢れた。


 その後も私の体調は戻らなかった。

 聖女として公務に出ていたジュリエット様が皇都に戻られて、私の体調の事を知ると公務を全てキャンセルされて、私の元へ駆け付けてくれたので話をした。


「サツキ、体調はどうなの?」

「心配をお掛けしました。気分が優れずに食欲も無くて……身体がずっと重たいんです」


 私の世話をしてくれるマグノリアも心配そうな口調で、ジュリエット様に説明をする。


「オドレイ様が神聖魔法で回復をされても改善しないので、ジュリエット様以外に頼れるものがありません……」

「そうなのね……」


 ジュリエット様が少し考え込まれてから、私には寄り添うように近付いて耳元で小さな声で質問をされた。


「サツキとデッカートは既に肉体的関係にあるのかしら?」


 ジュリエット様の質問に『はっ』と思いながら返事をする。


「はい、それって……」

「そうね、おめでとうと言うべきなのかな?」

「あっ、ありがとうございます……」

「マグノリア!サツキの体調について説明をします。オドレイとデッカートをに呼びなさい」

「かしこまりました」


 マグノリアは急いで2人を呼びに行った。

 姉様とデッカートが私の妊娠を知った事で、どんな反応をするのか不安になりジュリエット様に相談をする。


「あの、デッカートは私の妊娠を喜んでくれるでしょうか?姉様はこんな私を嫌いにならないでしょうか?」

「喜ぶに決まってるわ♪私も嬉しくて大声で叫びたい程なのに、あの2人がどんな反応をするのか楽しみだわ♪サツキは2人の喜ぶ様を見てれば良いのよ」

「はい、判りました♪」


 そして、私の体調不良の原因が判ったと聞いた2人が急ぎ足で部屋にやって来たの。

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