第51話 学びの日々

 教皇と面会をしてジュリエットを紹介された翌日から、私と姉様は神聖魔法を学び始めた。


 私は学園では1年しか学べなかったので、実は神聖魔法を学べる事が嬉しかったの。前世では嫌と言うほど机に向かって勉強してたけど、本質的に私は学んで知識を身に着ける事が好きなんだろうね。


 ジュリエット様との講義は宗教色が濃いのかと思っていたけど、神聖魔法は【宗教的思想】と言うよりも【精神的思想】が神聖魔法へと繋がると説明を受けた。


 神を信仰するだけでは神聖魔法を習得する事は出来ない。信仰=神聖と考える人には辿り着く事が出来ない領域だね。


 ジュリエット様との講義が終わると、デッカートも交えて4人で食事や会話を楽しんでる。最初の印象は社交的ではないイメージだったけど、物凄くお喋りが好きで講義開始が遅れる事も結構ある程だったの。


 そして1日が終わると、私はデッカートとの愛を深めていった。姉様はデッカートとの事を認めてくれてるので、2人で過ごす時間を多く取れるように気遣ってくれた事に感謝をした。


 そして、ペンドルトン聖教国で神聖魔法を学び始めて半年が経過する頃には、私も姉様も神聖魔法の習得の兆候が現れ始めたの。


「まさか、2人とも神聖魔法の適性があるなんて思ってなかったわ♪」

「ペンドルトンの血が流れていても、神聖魔法の習得は難しいのですか?」

「ヴァネッサでさえ習得出来なかった程よ。魔法の才能だけでは駄目なのよ」

「サツキ、あと少し頑張れは習得よ♪」

「うん♪ジュリエット様、講義お願いします」


 私達はその後もジュリエット様の元で神聖魔法の講義を受け続けた結果。姉様は2カ月後に、私は3カ月後に神聖魔法を無事に習得する事が出来たの。


 神聖魔法を習得してからは、お祖母様が使っていた回復や結界の発動や、魔素に侵された土地を元に戻す浄化を学ぶ事になった。


 そして、ペンドルトン聖教国へ渡ってから1年が経ったある日、私と姉様はジュリエット様から言葉を掛けられた。


「オドレイにサツキ、本日を持って神聖魔法の講義を終了します。2人と過ごした1年間は本当に楽しかったわ♪実の孫娘と接してるかと思ったほどよ……」


 最後は言葉を詰まらせて目には涙を浮かんでいた。私と姉様はジュリエット様に抱きついて、お礼を伝えた後は3人で泣き合ったの。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る