第49話 兄とアザレアの関係
私達は馬車に乗ってペンドルトン聖教国を目指した。
いつもなら私の世話係のアザレアが同行するんだけど、今回はマグノリアが世話役として同行する事になったの。
「サツキ様、アントワーヌ様に頼まれたとは言え、アザレアのした事は許される事ではありません。勝手な判断によりサツキ様が怪我を負い、主人であるメルヴェイユ様への報告も怠った事に解任となりました。本日より私が世話役としてお仕えします」
「うん、アザレアの事は残念だね。マグノリア今日からよろしくね」
挨拶が終わるとマグノリアは御者として馬車を動かし移動を開始した。
移動を開始して暫くすると、姉様が少し複雑な顔しながら話しだしたの。その内容は私にとっては衝撃的なものだった……
お祖母様はアザレアの勝手な行動を咎められて、主人であるお祖母様への報告や、本来なら私を守らなければならない立場なのに、どうしてお兄様の為に動いたのかを聞き出した結果。
私がデッカートとレンドルド王国へ行った事が原因で、お兄様は酷く落ち込んでいたらしいの。アザレアは私を止めていればお兄様が落ち込む事はなかったと思い、お兄様を慰めてると男女の関係を持つようになり、今回の事態に発展する事になった。
「そんな事があったのね。2人に申し訳ないよ」
「はっきり言えば、兄様は愛だとか言いながらも身近な女に手を出してたのよ。サツキはデッカートを愛してるのに他の男に抱かれたい?」
「それは無いよ。あの日もお兄様に求められたけど断ったもん。でも……私はその事について非難する権利はないよ。私もお兄様を裏切ってるんだから」
そう言うと、隣に座るデッカートが私の手を握ってくれた。
「アントワーヌも冷静になれば私達の事を認め祝福してくれるよ。今はオドレイ嬢と共に神聖魔法を学ぶ事に集中しよう」
「うん、神聖魔法を身につけて必ず深淵の森を浄化してみせるね」
「その時は私もサツキの手伝いをするわね」
「姉様ありがとう。大好き♪」
その後の会話は姉様の独壇場で、私が生まれた日から現在に至るまで事をデッカートに話し続けた。
そして数日後に私達はペンドルトン聖教国へ到着して、曽祖父である教皇に面会する事になったの。
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