第47話 お祖母様の提案

 私は姉様に連れられお祖母様の元へと向かう途中、勝手な行動をとった事を謝った。


「姉様、相談もせずに城を抜け出してごめんね……」

「帰ってきたから良いわよ。それに兄様以外に愛する人が出来て良かったわね♪」

「うん、お兄様には申し訳ないけどね……」

「放っておきなさい。最愛の妹だと言うのなら、妹に好きな人が出来ればそれを喜ばない方がおかしいわよ!デッカート様、サツキは私の最愛の妹なので泣かせる事は許しませんよ?」

「オドレイ嬢、サツキを幸せにすると約束します。それと『様』は不要です。私はレンドルド王国第一王子を捨てて、サツキを愛する一人の人間デッカートになりましたからね」

「ふふっ、自分の正義を突き通したのね。それでこそサツキに相応しいわ♪」


 話をしながら移動してると、お祖母様の部屋に着き久し振りの再会をするが、私がデッカートに抱きかかえられてたので、慌てて私に近寄ってきた。


「サツキ!どうしたの!」

「メルヴェイユ様、サツキは私を庇って傷を負わせてしまいました。申し訳ありません」


 デッカートはお祖母様に謝罪をすると、姉様がお祖母様へ説明をする。


「兄様が嫉妬して、デッカートを処刑しようとしたのよ。サツキは愛する人を守る為に兄様の斬られて深い傷を追ったけど、私が応急処置をしたから命に別状はないわ。後はお祖母様が回復してあげてね」

「アントワーヌ……様子がおかしいと思ったけど、後で言い聞かせないといけないわね。先ずはサツキの傷を綺麗に治療しないとね」


 その後は、お祖母様に傷痕を残さずに綺麗に治療してもらった。そして、私達がレンドルド王国の深淵の森で見た事を説明したの。


「魔素に侵された大地に魔人の出現。地上を魔界化させて魔王がやって来る……信じられないけど2人が言うんだから本当なのね」

「魔人が浄化するには神聖魔法の光が有効だと言ってたの」

「神聖魔法は使い手が少ないのよ。マルグリット共和国だと私しか使えないわね。ペンドルトンでも10人いる程度だから紛争中だと派遣するのは厳しいわね……」


 リュミエール王国とマルグリット共和国の争いを止めない限りは、レンドルドの魔界化は進んでしまう。


「このまま争いが終わるまでは、どうする事も出来ないのね……その頃には深淵の森は魔界化してるかも知れないのに」

「私はレンドルドへ戻り、深淵の森で魔素溜まりを見つけて魔人を倒そうかと思います。王族を離脱しても祖国の民を救いたい」


 私は紛争を止める事も深淵の森を浄化する事も出来ずに悲観してると、デッカートはレンドルドへ戻り魔人を倒すと言いだした。

 

 その後、沈黙が続いて場の空気が重くなってきた時にお祖母様が口を開く。


「神聖魔法の使い手になる為の絶対条件がペンドルトンの血と女である事なの。そこで提案なんだけど、2人はペンドルトンで神聖魔法を学んでみない?学んだからと言って身につく保証はない。ヴァネッサでさえ身につかなかった程だから……」


 お祖母様から提案に、私と姉様は互いの顔を見合って頷いてから返事をする。


「「やります!」」


 私と姉様はペンドルトンで神聖魔法を学ぶ事にしたの。

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