第32話 国王勅命と学園生活の終わり…
新学期も始まり、クラスメイトは全員がSクラスに残ったので、1年の頃と特に変わらず過ごしていたの。周りの心配もあったけど合同演習へは問題無く参加する事が出来てるんだよ。
そんな感じで楽しく学園を生活を送っていると、宮廷内で大激震が起こったの。
それは、リュミエール王国国王が勅命を出した事から始まったの。王国の内政を取り纏めていた宰相が、ペンドルトン聖教国と通じてるとの事で国外追放としたの。そして宰相には王妃に近い者が宰相となったの。
更に、ペンドルトン聖教国が王国の内政に干渉したとして、国交を断絶すると宣言した。
学園にもペンドルトン聖教国からの留学生が居るんだけど、国交断絶した事により留学制度を打ち切られて国に戻る事になった。
私達のクラスにもペンドルトン聖教国からの留学生が居て、アーサーとラファエルは急いで国へ戻る事になったの。
宮廷の暴走はそれだけで終わらず、貴族改革と銘打って王太后に近い貴族へ転領や降爵を命じたの。マルグリット侯爵家は辺境地への転領が言い渡されたけど、お父様は転領拒否を貫いたの。他の王太后派の貴族たちもマルグリット家に同調して転領や降爵を拒否した事で、王国内は大いに荒れ始めたの。
王都の治安が悪くなり、子供達を人質にされる可能性が出てきた為に、王太后派の学園生は学園を去り其々の領地へ戻る事になった。
「サツキ、こんな事になるなんて…」
「うん、こんな形で学園を去るなんて…」
「また、学園で会えるかな?」
「そう願いたいけど…政治は私には判らない…」
マーベルと少し話しをしてから、私は学園から王都邸宅へ戻る為に馬車に乗ろうとすると、宮廷警護隊員達に呼び止められる。
「その容姿、お前がサツキ.ラ.リュミエールで間違い無いな?」
「そうですけど、私に何かご用ですか?」
「宰相よりお前を連れて来いと言われてる。我々と共に宮廷へ来てもらうぞ!」
隊員はそう言って、私の手を掴み強引につれて行こうとした。すると私の手を掴んでいた隊員の腕が斬り落とされた。
『ズバッ!』
「えっ…俺の右腕が無い…うわぁあ〜!」
右腕を斬り落とされた隊員が叫んていると、お兄様が私を抱き寄せ口を開いたの。
「サツキに勝手に触れたんだぞ?斬り落とされて当たり前だろう!」
「我々は宮廷警護隊だぞ!邪魔をするいう事は王国への反逆となるのだぞ?」
「僕は【サツキの剣】だ。サツキの身が危険と判断すれば王国など関係なく討つだけだ!」
「クソッ、アントワーヌへ弓を撃て!」
一歩も引かないお兄様への苛立ちから、隊員は弓で撃つように指示したの。後ろに控えていた隊員達が弓を射ると、私達の周囲に障壁が現れて全ての矢を阻んだ。
「兄様は良いとして…サツキに矢が当たるような事を、【サツキの盾】である私がさせる訳無いでしょ。」
「姉様、ありがとう♪」
「ふふっ、お姉ちゃんが来たからもう安心だからね?兄様、早く
「任せてくれ。立ち塞ぐ者は全て斬る!」
このままだと沢山の死人が出そうなので、お兄様を止めて私に任さて貰う事にしたの。
「姉様、私に任せて欲しいんだけど駄目?」
「ん?良いわよ♪兄様ストップね。」
「おっ…おう。」
私は〚拒絶〛を使って乗り切る事にした。
「私は、王都邸宅へ戻る事を阻もうとする全ての行為を〚拒絶〛する。」
「なっ、体が勝手に動く。何が起こってる?」
私が〚拒絶〛した事で宮廷警護隊員達は己の意に反して道を開けたので、私達はゆっくりと馬車へ乗って王都邸宅へ戻ったの。
「生命の理に関係しない全ての事象が対象なんて〚拒絶〛って本当に凄いわね(汗)」
「出来るだけ騒動は避けたかったの。」
「良い判断だったね。僕やオドレイだと確実に死人が出てたからね。」
私達が邸宅へ戻るまで誰も阻む事は出来ないので、何事もなく邸宅へと到着したの。
いつもならアザレアが出迎えるのに、今日はその場には居なかったの。代わりに出迎えた執事長が慌てて私達に報告してきた。
「王太后様が国王勅命によりラ.レーヌ宮殿で幽閉され、ペンドルトン聖教国へ送り返される事になったのです!旦那様と奥様がラ.レーヌ宮殿へと向かわれました。」
それを聞いた私は居ても立ってもいられずに、お兄様に宮殿へ行きたいと伝える。
「お兄様、お祖母様の元へ行きたいの!」
「サツキの思いは判ってるよ。直ぐに出発するよ!オドレイもそれで良いね?」
「勿論よ!アザレアがここに居ないって事は、お祖母様の傍に居る筈だから、大丈夫だと思うけど急ぎましょう。」
そう言って、私達はお祖母様の居るラ.レーヌ宮殿へと向かったの。
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