第33話 ラ.レーヌ宮殿へ
私達は馬車を急がせてラ.レーヌ宮殿へ向かって行く、宮殿が見えてくるとマルグリット家の馬車が、王族護衛騎士団に行く手を阻まれていたの。
「王妃の命令でラ.レーヌ宮殿へは行かせる事は出来ない。お引き取りを願います、」
「王太后を幽閉など断じて許されないわ!このまま阻むなら実力行使をしてでも通るわよ?」
お母様はそう言うと膨大な魔力がオーラのように身体から湧き出す。本気で騎士団を排除する気なんだと思ったので、私は馬車から降りてお母様の抱き着き止めたの。
「はっ、サツキ…こんな場所に来ては駄目よ?屋敷へ戻って帰り待つのです。」
「いえ、私がお祖母様の元へ行く道を開くから魔法は抑えて欲しいの。」
私の言葉にお母様は驚いたけど、一緒に付いて来た姉様が頷いた事で任さてくれたので、私は〚拒絶〛を使ったの。
「私達がお祖母様の元へ行く事を阻む行為の全てを〚拒絶〛する!」
その言葉と同時に行く手を阻む護衛騎士団達は、自分の意思に反して道を開けていく。
「なっ、何なんだ!勝手に体が動く…」
「お母様、お祖母様の元へ急ごう!」
私達は直ぐに馬車に乗り込み先を急いだ。
宮殿前に着くと、近衛騎士達が宮殿を囲んで居たけど、私達がお祖母様の元へ辿り着くまでは〚拒絶〛が有効なので、騎士達の体は勝手に動きだして道が開いた。騎士達は驚きの声をあげてるけど、私達は気に留める事も無く進むと、【樹】の者が私達に気付いて門を開いて宮殿内に入れたの。
「ヴァネッサ様、王太后様が奥に居られますので案内致します。」
「ええ、宜しく頼むわ。宮殿から抜け出す方法はあるのかしら?」
「我々【樹】以外の護衛は王に付いたので、全ての通路は押さえられてます…」
会話をしながらお祖母様の居る部屋の前に着くと扉が開いたので、私はお祖母様へ駆け寄り抱き着き無事を確認すると泣き出していた。
「サツキ、心配してくれてたのね…」
「良かった…本当に良かった…(泣)」
「こんな馬鹿な行動をするなんて、アーバインは気でも狂ったのかしら?」
「アリエッタの影響でしょうね。」
「お母様、ここを出てマルグリット領へ行きましょう。」
「近衛騎士団に護衛騎士団が居るのよ?ここから出るのも厳しいでしょ?」
「ううん、私の〚拒絶〛で誰にも邪魔はさせないから大丈夫だよ。」
「ここへも〚拒絶〛で来たから大丈夫よ。」
取り敢えず、お祖母様が宮殿から出る為の準備が整い次第、宮殿からマルグリット領へ向かう事になったの。
➖➖➖➖➖お知らせ➖➖➖➖➖
今回の33話で第三章【サツキ 学園編】が終了します。
次回より第四章【サツキ 戦天使編】を開始しますので、楽しみにお待ち下さいm(_ _)m
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