第30話 真実を告げる
サツキお祖母様の身体が光の粒子となり消えた後、私は溢れる涙を流したまま隣で寄り添うお祖母様に抱きつき静かに泣き続けた。
時間が経ち私の心が落ち着いたところで、家族の待つ邸宅へ戻る事にしたの。
「私とサツキお祖母様の事は帰ったら話すね。」
「えぇ、でも大丈夫なの?辛くはない?」
「サツキお祖母様のお陰で私の心に違和感は全くないの。だから大丈夫だよ。」
邸宅に近付いても不安な気持ちにならない、不完全な心が満たされてる事を改めて理解できた。
そして邸宅に戻ると家族の待つサロンへ向かって、今日の出来事を全て報告したの。
前世の【有馬 皐月】がどんな人物だったのか、任務中殉職して異世界転生をしたけど、その時に何故か2人に分かれて転生してしまった。
その結果、サツキお祖母様は【身体不完全】な状態で転生を、私は【心の不完全】な状態で転生してしまった事。
サツキお祖母様〘確定未来〙のギフトで、不完全な身体では膨大な魔力に耐えれず長く生きる事が出来ない事を知った。更に転生時に分かれたもう1人の【有馬 皐月】が自分の孫として生まれて、心が不安定な為に苦悩する事を知った。
そこで自身が完全に消滅する前に、お祖母様に仮死状態にして保管するように頼んだの。そして限界を迎えた日に、お祖母様とお父様へ遺言を残された事を説明したの。
そして、生まれた私は順調に育ってたけど、学園で行われた合同演習での出来事で心が完全に乱れて不安定になり、マルグリット領で静養する事になった。そして私は遺言通りに墓苑に行って、サツキお祖母様に触れる事により不完全だった心が満たされたのだと。
それとサツキお祖母様の〘確定未来〙のギフトと魔力を引き継いだ事と、愛する家族への伝言を頼まれていたので伝えた。
サツキお祖母様の残した言葉を聞いて、家族全員がサツキお祖母様の事を懐かしむように涙したの。
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