第23話 サツキの苦悩
私は左腕の大怪我以降は合同演習へ参加していない。クラス単位での行動になると、気分が悪くなり動けなくなるの…
自分のメンタルの弱さに泣き出す事もある。〘拒絶〙を使ってみたけど、深層心理に触れる事は出来ないの。今日も合同演習には出来ずに医務室でお祖母様が一緒に居てくれるの。
「情けないよね…怪我の事が脳裏をよぎると動けなくなるなんて…学園を辞めた方がいい?」
「あれだけの大怪我を負ったのよ?心のダメージは簡単には癒えないの、悲観せずにゆっくりと治せば良いのよ。」
「こうして、合同演習に不参加が続くとさ、サーバインが責任を感じるでしょ?私が勝手に助けに入って怪我しただけなのに…そんなの可哀想じゃない。」
「サツキ、あの時に助けに入らなければ、サーバインは確実に死んでたのよ?それなのに貴女は…本当に女神様のような慈悲深い心を持ってるのね。祖母として誇らしくもあるけど、危うさも感じるわ。」
「だって…私には力があるから…その責務を全うしないと駄目でしょ?」
「っ…今はそんな事を考えずに休みなさい。」
「うん、手を握っててね。」
お祖母様に見守られながら私は寝たの。
➖➖➖王太后視点➖➖➖
サツキがこうなったのは、私達の責任ね…
他の兄姉と比べてもその力は桁違いだから、才能を得た者の責務として努力して、助けれる事があれば力を行使するのが当たり前、そう教えてきた結果が裏目にでたわね。
兄姉達と同じ学園入学前に教えるべきだった。幼いサツキにはきっとプレッシャーだったのね…前世の記憶を持って生まれようと、身も心も普通の子供なのだと、理解してあげれなかった。本当にサツキには悪い事をしたわ…
サツキの心の苦しみを和らげる為に、マルグリット領でゆっくりと静養させよう。
サツキ、貴女に会わせる時が来たのね…
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