第21話 銃天使サツキ

 肉塊に近寄る飛竜ワイバーン3体に向かって、私は弾丸を放った。


『ドシュッ、ドシュッ、ドシュッ』


 地に降りていたので、簡単に飛竜ワイバーンの頭を貫けた。

 降下して来てた飛竜ワイバーン8体は驚いて上空へ上がろうするが、それを許す訳もなく弾丸を放つと、翼や体に弾が命中して次々と地面に落下したの。


「僕達の出番だね!マーベルは尻尾に気をつけて、触れると毒にやられるからね!」

「はい、気をつけます。」


 そう言って、私達は地に落ちた飛竜ワイバーンを片付けて行くの。私は銃槍ガンランスに変装して、姉様とマーベルの後に続いてフォローする。


「マーベル、殺さない程度に魔法を当てるから、頭へ石槍ストーンスピアで仕留めるのよ。準備は良いわね?」

「はい、大丈夫です。」


 姉様が風刃ウインドカッターで翼と尻尾をサクサクと切断して行くと、マーベルが怖がりながらも魔法で飛竜ワイバーンを仕留めて行く。


「えいっ、石槍ストーンスピア!」

『グワッガッ…』


 合同演習には参加してるけど、全く討伐経験の無いマーベルには、魔物と言えど命を奪う事への抵抗があるみたい。私はマーベルの背中をさすりながら言葉を掛ける。


「辛いと思っても続けるんだよ。人と魔物は共存出来ない、躊躇うと私達が命を落とす事になるからね。」


 私が左手をさすってるのを見て『はっ』と言われた言葉を理解したみたいで、


「そうだね、私が躊躇えば他の人達に危険が及ぶんだよね。サツキありがとう♪」


 私はマーベルに笑顔で応えたの。その後は気持ちも切り替わったみたいで、躊躇う事も無く飛竜ワイバーンを仕留めていった。


 飛竜ワイバーン討伐も一段落して、私達は休憩する事にしたの。お茶を飲みながら話しを楽しんだ。


「サツキの銃魔法マジックガンを撃つ姿は凄く格好良かったよ♪」

「あらっ、マーベルもサツキの素晴らしさが判るのね♪銃を撃つ姿は正に【銃天使】よね!」

「オドレイ、良い事を言うわね。これからサツキが銃魔法マジックガンを使用する時は【銃天使サツキ】と呼びましょう♪」

「あの…また変な称号が付きそうだから、その呼び名は止めて欲しいの…」


 3人が私の呼び名を決めようとしたので、付く前に何とか止めようとしたんだけど…


「あら、【天に愛されし乙女】【天才少女】【銃天使】の3つの称号になってるわよ♪」

「あぅ…3人のせいだからね…(プイッ)」

「スネたサツキも可愛いわね♪」


 そう言って、姉様に抱き寄せられて頭を『ナデナデ』されたら思わず笑っちゃったので、休憩が終わるまで話しを楽しんだ。

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