第17話 ダンスパーティー

 毎月ある合同演習の週末は学園主催のダンスパーティーが催されるの。

 私は合同演習で大怪我を負ったので欠席すると思われてたみたいだけど、義手になったけど体調は万全なので出席する。


 私は純白のドレスに私の色【ローズ】のアクセサリーを身に着けて参加するの。オド姉様はオレンジのドレスに姉様の色【碧】のアクセサリー、レティ姉様は黄色のドレスに姉様の色【蒼】のアクセサリーで参加するの。


 男性陣は黒か白のタキシードに自分の色のピアスと指輪を身に着けて参加するの。

 アントお兄様は白のタキシードにお兄様の色【紅】のピアスと指輪で、オーリ兄様は黒のタキシードに兄様の色【紫】のピアスと指輪で参加するの。


 ダンスホールへの入口は男性用と女性用に別れていて、其々が入場するの。

 私は入場しながらアントお兄様を探すと、一際輝くお兄様を直ぐに見つけたの。お兄様も私に気付いてようで、【イケメンスマイル】で応えてくれたの。学年別に立食テーブルがわかれてるので、お兄様の近くへすぐに行けないのが残念…


 理事長であるお祖母様の言葉の後に、ダンスパーティーが始まると、私はお兄様とファーストダンスを踊りたいので向かおうとしたけど、私の前に男性陣が壁を作って邪魔をするの。


「サツキ嬢、私と一曲踊って頂きたい。」


 私へのダンスアプローチだった…そうか、私は侯爵家令嬢だから、縁組狙いが多いのね…お断りをしてお兄様の元へ行こうとすると、


「僕は、可愛い妹のサツキとファーストダンスを踊りたいんだ。邪魔をしないで欲しいね。」


 お兄様が大きめの声で、私と前に居た男性陣全員を下がらせたの。そして私に近付いて来て誘いの言葉をくれたの♪


「サツキ、今日は一段と綺麗だね。僕と一曲踊ってくれるかな?」

「喜んでお受け致します。」


 誘いを受けて、お兄様とファーストダンスを楽しんだの♪その後も2曲踊ってから、休憩する為にオド姉様の居るテーブルへ向かったの。


「あぁ~、私もサツキとダンスがしたいわ。」

「昔を思い出すねぇ〜♪」

「オドレイはサツキとダンスする為に男性パートを覚えてたもんな(笑)」

「姉様は何でも教えるのが上手だもんね♪」


 兄姉と会話しながら食事を取っていると、男性陣が私にダンスの申し込みをしてきたの。


「サツキ嬢、休憩はお済みなら一曲お願いしたいのですが。」

「私の天使と踊れるのは、私か兄様に勝てる者しか認めないわよ!」

「そっ、そんな…学園内で御二人に勝てる者なんて居ないじゃないですか…」


 その後は、誰も私と踊る事は叶わなかった。

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