第13話 拒絶の理

 私は変わらず暗闇を彷徨っている…どれだけの時間が経過したのかな?

 お祖母様は無事なのだろうか?〚拒絶〛が発動したから私は暗闇に居ると仮定すると、お祖母様は無事だと理解できるよね。

 それならこの暗闇に居る現状を〚拒絶〛すると戻れる?いや違うなこの暗闇に居る理由は〚拒絶〛を発動する事で、膨大な魔力消費した為に魔力枯渇に陥ったからだと理解した。

 すべての事象を拒絶する事が出来る者。それが私なら魔力枯渇も拒絶できる筈だよね!


「私は拒絶を発動する事により、魔力枯渇に陥る事を〚拒絶〛する!」


 これで膨大な魔力消費は起こらない筈だ。次は家族の元へ戻る為に、みんなに逢いたい思いを込めて…


「私は家族の元へ戻るの!だから、魔力枯渇により暗闇を彷徨ってる意識を〚拒絶〛する。」


 その瞬間、暗闇の中から薄っすらと視界が開けて、ぼんやりとお祖母様の顔が見えてきた…  

 目が合うと、お祖母様は信じられないという表情で泣きながら私に抱きついて来たの。


「あぁ…サツキ…目が覚めたのね…良かった…このまま眠り続けるのかと…本当に良かった…」

「お…ばあ…さ、ま、た…いちょ…は、」

「サツキ、無理に話さなくていいのよ。お陰で体調は良くなったから…今はゆっくり休みなさい。」

「う…ん」


 私はお祖母様の体調を聞いて安心した様で、瞼を閉じて眠りについたの。


➖➖➖➖王太后の視点➖➖➖➖

 サツキの傍で寄り添っていると、小さな声が聞えたの。


「…を…拒絶…する…」


 私はサツキの顔を見る。

 ほんの少しだが口が動いてる。


「戻る…の、……拒絶…する」


 サツキの言葉を全て聞き取れなかったけど、何かを拒絶した様だった。

 そして、ゆっくりだけど瞼が開く。意識は戻ったけど言葉は思う様に話せない。それ程衰弱しているにも関わらず、私の身を心配して話し掛けようとするの…

 私はゆっくりと休む様に諭して眠らせた。


「サツキ、おかえり…戻ってくれて本当にありがとう…」


 そう言って、サツキの額にキスをした。

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