第14話 元通りの日常へ
私は意識を取り戻してから3日間眠り続けていたの。家族は意識が戻った場面を見てないので、凄く心配してたみたい。
私が目覚めた時。
ベッドの横で、お祖母様が私の手を握りながら眠っていたので、声をかけたの。
「お祖母様、そんな所で寝てる身体に悪いよ?」
ハッキリと声では無かったけど、気付いたお祖母様は嬉しそうに返事をする。
「おはようサツキ。家族も心配して、宮殿に泊まってるからすぐに呼ぶわね。」
「うん、ありがとう。」
お祖母様の声に反応して、アザレアが家族の元へ連絡をしに行った直後。貴族らしからぬ足音を立て、ドアを力一杯『ドーン』と開け、『グシャグシャ』な顔したお母様達が入ってくるや否や、思い切り抱きしめられた。
「お母様、心配を掛けてごめんね…」
「勝手な行動は慎みなさい!お祖母様が大好きなのは判るけど、その行動で私達家族がどれほど心配したか…でも…意識が戻って良かったわ…サツキおかえり♪」
「本当に…ごめんなさい(泣)」
少し咎められたけど、結果的にはお祖母様も治って私も無事だったけど、勝手な行動で迷惑を掛けたんだから理解してる。その後に優しく『おかえり』と言われて、愛する家族の元へ戻れた事を実感すると涙が溢れたの。
意識が戻ってからは、いつも通りの生活リズムに戻るのに少し時間が必要だったけど、徐々に元通りの日常を取り戻していったの。
そして、改めてお祖母様へ私が前世の記憶を持って生まれて来た事を告白する日が来た。
➖➖➖➖王妃視点➖➖➖➖
王宮内である噂が流れてる。
あの忌まわしいサツキが原因不明の病で倒れ、意識が戻る様子が無く神に祈るしか無い状態だと言う噂だ。
これはチャンスよ!専門医を装って治療を施すと言って殺せるじゃ無い!直ぐにでも付き人に指示しないとチャンスを逃すわ!
あの子が居なくなれば、王太后も嘆き悲しむでしょう♪考えただけで『ゾクゾク』するわ!
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