工房ギルド大会準備  

 クローム鉱山の中で助けた妖精達がお礼に宝石を生成してくれたので少し貰っていく。


「これが生成魔法か⋯⋯すごい綺麗だな」

「わ~キラキラしてます~」

「ギャウー」

「自分も出来るって言ってるのだ」


なに?このドラゴンもできると言ってるのか?

「グルルー!」


ドラゴンが光輝き周囲の石が光始めた

おおっ!なかなか大粒の宝石が生み出されている。

 ちなみにこのドラゴンは宝石を食べることで魔力供給して、新陳代謝をおこなっているとのこと。


 人里には降りず長い年月をかけ、力を蓄える為に宝石を食べてバッテリー代わりにする。

 食べる種類が多ければ多いほどいろんな進化をおこなえるようになるのだそうだ。


このドラゴンがいれば宝石には困りそうにないな


成長するにつれてより上質な宝石を生み出すことができるとのこと。


 このドラゴンっていうか名前は…ベリルだったな。


「とりあえず一覧に載ってなかった一部の鉱石はは鉱山前に提出しないといけないな」


入り口に戻ってくると研究員の人が聞いてきた


「何かすごい声が響いてきたんですが何かしりませんか?」


「こいつの事だな」


ドラゴンが後ろからパタパタと飛んでくる。


「ギャウ」


「うわっ!ドラゴンがいたのですね!しかし貴殿方に付いてきてるようでが?」


「成り行きで連れていくことになった。まあ暴れる事はもうないだろう。4階の落盤箇所もなおったぞ」


「ええっ!?なおったですって?どうやって?」


「まあ色々あってな」


「ちょっと待ってて下さい。確かめて来ます!」


急いで研究者が走っていった

―しばらくすると研究者が戻ってきた。


「あんなに酷いことになっていた4階がどうやったらあんなに綺麗に⋯⋯」


「じゃあ採掘した中で新しいのを見つけたから見せるぞ」


「あっ⋯⋯はい!」


少し呆然としていた研究者は気を取り直してこちらに返事をした。

見られても大丈夫なようにある程度持てる袋を用意しておいた。

今回見せるのは魔鉱石と宝石類だ。


「2階と4階で採れたものだ。4階ではルビーフェアリーとスファレライトフェアリー達が宝石をくれた」


袋から1部取り出した物を用意しておいた。


「なんと2階でこんなものが採れるのですか?


採掘ポイントはどの辺ですか?マップを見直さないと。

宝石は純度が高い⋯⋯

すいませんがこちらは預からせて頂いもいいでしょうか?」


魔鉱石と宝石はやはり預かりのようだ。


まあ今回は工房ギルドの大会で必要な鉱石は取れたし、1部のみしか預けていないのだ


もちろん魔法袋に入っている。


とりあえず大会が終わるまでは寝かせておこうと思う


さてではこれから工房に戻ってもの作りだ!



◇◆◇◆◇◆


「おう!早かったな!工房の用意できてるぜ。しかし、ドラゴンまでつれて帰ってくるとはな。やっぱり面白れーわ」


隻眼のドワーフ、ジークドラムスが笑いながらプレートを用意してきた


 工房ギルドではプレートに名前を書きそれを掲げることで工房ギルドでの工房作業許可を取って仕事ができるということになっている。


俺達の工房の名は『夕星』(ゆうづつ)にした。


ふと頭に浮かんだのが気をよくしたルシファーはご満悦だ。

レオナ、ベリルも頷いている

名前も決まったし、場所も確保できた


まず作るのは魔法袋と容器だ。

倍速魔法袋を作りながら容器をイメージしていく。

容器はタンクと小瓶2つを用意する


タンクといっても5リッターが入るくらいのサイズだ

熱を利用し、型を作ったものに流し込み固める


リイゴがもっと手にはいればサイズを拡大してもよかったが量も少ないからそうもいかないし、はじめてだしな。


 倍速魔法袋には『時空魔法』――<加速>と『重力魔法』――<重力操作>を色分けしておいた袋に空間を操作し、『創造魔法』練り込んでいく。倍速魔法袋に魔法障壁を張って貰ってと。


倍速魔法袋に入れるものは劣化するので注意が必要だ


 型作りは『天地万有の声』のイメージをルシファーに伝えて耐熱性がある鉱石を削り型を作った


 タンクと小瓶の型に手に入れたルシファーとレオナに使って貰った『火魔法』で溶かした鉱石類を混ぜてと⋯⋯


さらにルシファーとレオナの『氷魔法』を使い冷やして固まったところで、取り出す


さてタンクと小瓶に装飾と対策を施していこう


『ジョブチェンジLEVEL-2』

細工師技能――<クラフトアーツ>

付与術師技能――<プロテクトコーティング>

 細工師技能――<クラフトアーツ>によってタンクと小瓶の周りの装飾を施しながら付与術師技能――<プロテクトコーティング>により劣化耐性、耐熱性、冷耐性、衝撃耐性をかけた。


黙々と装飾加工と付与術式を施しながら加工が終わっていく。

装飾はベリルを見立てドラゴンの彫刻を入れた。


「スキルで補助されるとはいえ便利だな。身体が勝手に動いてくれる」

「記憶が戻ってない状態でそれだけできるのは反則に近いですけどね」

「なにかのきっかけがあればマスターの記憶は甦りそうなのだ」


「ギャウ~」

タンクと小瓶には黒曜石をメインに使って、クリスタルストーンとアイアンタートルの甲羅を混ぜている。


透明感のある色に仕上がっている。

さあここにリイゴを入れて倍速魔法袋で発酵保存だ。


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