クローム鉱山に行こう

あのあとドワーフ達は一瞬で酒を飲んだ⋯⋯。


「やっぱり全然足らんわい」


酒が入っていた瓢箪を逆さまに向けながらジークドラムス達は寂しそうにしている。


「じゃあ今回は酒と防具でも作るか」


「何!?酒だと?酒まで作れるのか?」


「まあ酒は2週間もあれば何とかなるだろ。

武器は量産させられるとしんどいし、防具なら多少良いのが出来ても気にならないだろうしな。


服を作るなら糸が必要になるからまだ出来ないから今回は鎧でも作ろうかな。」


「審査員が羨ましいぜ。余ったらくれよな!」


「まあ余ったらな」


「今回の大会出場料は免除だからな。

おっと⋯⋯忘れるとこだったが、水晶近くに手を置いて承認を受けといてくれ。工房ギルドの詳細が載せれるからな。

カードはこれになる。

それがあればクローム鉱山の採掘にいけるからな」


緑の幾何学模様の彫られているカードを手渡された。


工房ギルド大会に出場することになった。


期限は2週間後までに制作しておくこと。


参加者は実力を見せるので何個でも出品オーケーだ。

テーマはいたってシンプルの『逸品』だ。


工房ギルドで作った物を提出してそれを大会で御披露目するというのが工房ギルドスタイルらしい。


工房ギルドから出るのは本部から3チーム此方の支部の6チームの

計9チームが集まる大会となっている。



優秀作を取ると商業ギルドとの契約も取れ食いっぱぐれがない事になる。

優秀作は街の中心の工房ギルド展示され、商品化されるか、協議される。

大会前日に工房ギルドで作った物という証を焼き印を入れるので買った物を出すという行為は出来ない様になっているらしい。


「よし。じゃあ今回は鎧と酒を作りたいと思う。レオナ、ルシファー頼むぞ。まず酒を造りをしたいと思う。鉱山に入って色々採掘してから酒と鎧作りだ」


 鎧の種類はブリガンダインと赤い果実のリイゴで作るシードルだ。




「まずは酒は魔法袋の時間経過が早いものを作る。その後魔法袋の中で水魔法を使い容器にリイゴを浸けといて酵母を作る。


そして魔法袋で発酵できたら後は時間を置くだけだな。


まあ量はそんなに造る気はないから今回の分だけ作ろうかな。


容器を作る為にクローム鉱山に入り採掘し、アルコールになる間に鎧作りを平行して行って発酵までいくってのがまず始めの一連の流れになる。


何か質問があるか?」


「如月さま酵母とは何ですか?」


「微生物っていう小さな生き物がいる菌だな」


「そうなんですか。そんなものがいるんですね。食の世界も不思議な感じなんですね」


 レオナは食事に関してはほとんど興味を示さなかったようだ。研究がてら食べる程度で似たような物を食べ続けたようだ


確かにこの街の安い食事はあまり旨くない。わざとだろうか



酒の製造はドワーフに買った酒を元に『ジョブチェンジLEVEL-1』の解析者スキル『解析』と『天地万有の声』により作り方と応用は判明している。リイゴを手に入れれたので使ってみようと思ったのだ。


「食事も美味しいものが食べれるようになるならいいと思うのです」


料理大会の質がどの程度か確かめないといけないな。


「リイゴも最低限しかないし、あまり作れないしな」


容器は工芸品でもいいが工房ギルドにいるんだからとジークドラムスに1から作るのがいだろうと言われてやることになった。


「じゃあクローム鉱山に向かうか」


「良いのが取れるといいですね!」


「ノームには負けないのだ」


工房ギルドから出て町外れからクローム鉱山を目指す。


あそこか!鉱山の入り口に小屋が建っていて中に人影が見えるから人が常駐しているようだ。 

中には椅子と机と小さな工房がある。すぐに作りたいと思う人ようかな?


中にはモノクルをかけた研究者のような格好をしている人がいる。


「工房ギルドの管轄のクローム鉱山へようこそ。ギルドカードを拝見します。⋯⋯緑ランクの如月夏樹さんですか。付き添いの助手が2名と。


ではここに署名をしてからお入り下さい。


ここの工房は取り置きが出来まして、必要な鉱石を保管したりする場所になってます。

工房は鉱石の鑑定と品質調査の為にあります。


なお緑ランクは4階までになっていますが⋯⋯


4階は落盤して一部危険な箇所が有りますので行く際には十分気をつけるようお願いします。

なお、採掘用のピッケルはここにあるのを使えばいいですよ。

今まで取れた鉱石の一覧表はこちらにあるので参考にご覧ください。

一部鉱石の種類の確認の為預からせてもらう場合があります」


羊皮紙を出され、そこに記入していく。採掘用のピッケルを2本受け取る。


4階までか。何が採掘できるかな? 一覧表を確認する。

ふむ。欲しいのもあるようだし大丈夫だな。


「中にはいって採掘を始めようか」


「わかったのだ」

「行きましょう!」


中に入ると坑道にランプが掛けてある。

採掘ポイントを探しながら奥に進んでいく。


クローム鉱山はノームの住みかの他に宝石を好む精霊や妖精がいて住む代わりに『生成魔法』を使い鉱石や宝石を新たに産み出す事をしているという。


生成魔法を使う精霊や妖精も気になるから要るといいな。


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