第6話仲直りと婚約
宣言通り圭子は翌日からすっぴんをやめた。
バッチリとメイクをして登校するとカレンと向き合う。
「私の恋人にちょっかいかけないで」
正々堂々と正面から向き合った圭子とカレンは今にも戦いの火蓋を切ろうとしていた。
「ちょっかい?何のことでしょう?私の好意は純粋です」
カレンも負けじと応戦する構えを取ると圭子と向き合う。
「確かに柏崎さんは美人で男子ウケも良いんだろうけど…そんなあなたが私の恋人と話しをしているだけで不安になるの。お願いだからやめてほしい」
圭子は珍しく弱気な発言をするとカレンは困ったような表情を浮かべる。
「そう言われましても…恋は自由でしょ?」
「そうだけど…じゃあ分かった。凛にはっきりとしてもらおうよ」
「はっきりしてもらうとは?」
「どちらを愛しているか。これからも一緒に居たいのはどちらか」
「それは少しだけ卑怯じゃないですか?」
「柏崎さんがそれを言う?」
二人はバチバチとやり合うとクラスメートたちは居心地の悪そうな面持ちでそれを伺っていた。
「これからの私のチャンスすら奪うのはフェアじゃないと思いますけど?」
「それはそうね。じゃあ卒業とともに私達が結婚すると宣言したらどう?」
「そんなの口約束で終わるかもしれないじゃないですか。この状況を打破するためだけに考えついた嘘かもしれません」
「私は嘘は言わない。高校を卒業したら凛と結婚する。これは絶対。凛にその覚悟がないというのであれば…私は身を引いても良い。それぐらい凛を愛しているし覚悟もある。今みたいに不安になって喧嘩するのなんて望んでない。だからちゃんとケリを付けたいの」
圭子は僕のことをちらっと見ると一つ頷いた。
「では凛くんに覚悟がないのであれば…私が頂いてもよろしいんですね?」
「えぇ。それでいいわ」
圭子とカレンは勝手に物事を進めると僕の元へやってくる。
「話聞いてたでしょ?凛の答えを聞かせて」
圭子に問われて僕は自分の気持ちを正直に伝えるのであった。
後日。
バイト先に向かうと研修を終えたミレイは独り立ちをしており本日のシフト相手となっていた。
「婚約おめでとうございます。お姉ちゃんも私もショックですが…離れていた時間が長すぎましたね…」
「ありがとう。確かにそれもあるだろうけど…どんな状況で圭子と出会っても僕は彼女を選んでいたと思うよ」
「それほど愛しているんですか?」
「まぁね。素直じゃないときもあるし重く面倒なところもあるけど…何の問題もない女性じゃ物足りないでしょ?」
「完璧はつまらないと?」
「そうは言わないけど…僕では釣り合わないよ。カレンさんもミレイちゃんにももっとふさわしい相手がいる」
「そうでしょうか?今はそうは思えません」
「僕が出会ったように急にその時は来ると思うよ」
「そうであってほしいですけど…」
「きっとそうなるよ」
僕らは他愛のない会話を続けると閉店までシフトをこなすのであった。
「凛の答えを聞かせて」
その問いかけに僕は正直に答える。
「高校を卒業してすぐに結婚だなんて夢みたいな話で現実味がないけど…それでも僕はそれを成し遂げるよ。例え100人中の1人だったとしても圭子を選ぶ。これからも喧嘩をしたり面倒なトラブルはあると思うけど…ありのままの本当の自分を見せてくれる圭子を選びたい。だからカレンさんとは…」
そこまで言葉を口にするとカレンは僕の前に掌を出して制する。
「それ以上は結構です。覚悟は分かりました。ですがもしも卒業して結婚していないと知ったら私は再びアタックします。では」
カレンは僕のもとを離れるとクラスメートの輪の中に入っていく。
圭子とふたりきりになると彼女は少しだけ気まずそうな表情を浮かべた。
「本当に私でいいの?柏崎さんの方が見た目も可愛いよ?」
「何言ってるの?圭子だって負けじと可愛いでしょ」
「へ?そうなの?」
「ずっとそう思ってるけど?」
「じゃあちゃんと伝えてよ!私一人で不安になっててバカみたいじゃん!」
「伝えてたと思うけど…」
「伝わってない!」
「それならごめん。圭子は凄く可愛いよ」
僕は正直な気持ちを圭子に伝えると彼女は照れくさそうに微笑んだ。
「仕方ないから許す」
「ありがとう」
僕らは晴れて仲直りをするとクラスメートに囲まれて祝福を受けるのであった。
次回最終回。
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