第7話放課後デート

テスト期間の放課後のこと。

試験まで後数日と迫っている中、僕と圭子は近くのファミレスでテスト勉強に励んでいた。

「テスト終わったら夏休みだね♡」

圭子はくしゃっとした笑顔を向けてきて僕は静かに頷いた。

「海かプールに行きたいな♡毎年決まった予定とかってあるの?」

「特には。お盆にお墓参りに行くぐらいかな」

「そうなんだ。うちもそれはそうだな」

他愛のない会話を続けながら、それでもノートから目を離さずに僕らはテスト勉強に励んでいた。

「昨日の夜電話した時…なんか様子おかしくなかった?」

「そうかな…別に普通だったと思うけど…」

「うーん…何ていうかよそよそしいと言うかやましい気持ちを隠していたというか」

「………」

僕はそこで黙ってしまうと圭子は僕の顔を覗き込む。

「何か隠してる?」

「いや…何も…」

しどろもどろな返事をするとこの話を中断させるために別の話に切り替えようとした。

「そう言えば夏休みもバイトが忙しくてさ…」

「バイト…そうか。バイト先で何かやましいことがあったんでしょ?」

「………」

話を逸らすことが出来ず、というよりも墓穴を掘ってしまい本題へと戻ってしまう。

「もしかして…元カノと同じシフトになって気持ちが再燃したとか?」

それに首を左右に振ると僕は逃げることが出来ずに正直に答える。

「同じシフトになったのは確かだけど…気持ちは再燃してないよ」

「じゃあなんで話を逸らそうとしたの?」

「いや…なんか気まずくて…」

「どうして?やましい気持ちがあるからじゃないの?」

「そうじゃないけど…何ていうか圭子もいい気分しないでしょ?」

僕の答えに圭子は少しだけ思案するような表情を浮かべて一つ頷く。

「確かに良い気分じゃない。でも隠されるのはもっと良い気分じゃない。これからはちゃんと話しして」

「わかった。隠そうとしてごめん」

「もう隠していること無い?」

「ない…と思うよ」

「そう。また何かあったら話してね?凛のことは何でも知りたいから」

それに頷くと僕らはそこから日が暮れるまでファミレスでテスト勉強に励むのであった。


圭子を駅まで送ると彼女は唐突に思い出したかのように口を開く。

「そうだ!聖子がテスト終わったらデートしたいって。通知来てない?」

「来てないけど?いつ言われたの?」

「土曜日の夜には言ってたんだけどな。何で直接言ってないんだろ?」

「姉に遠慮したんでしょ」

「そんな性格じゃないんだけどな…」

圭子はそこで首を傾げるとスマホを取り出して改札を抜けていく。

「一応伝えたからね。聖子にも自分で言うように言っておくね。また明日」

圭子は僕に手をふるとそのまま電車に乗り込み帰路に就くのであった。


ちなみにだが帰宅して自室で休んでいると聖子からデートの誘いがきて僕はそれに了承の返事を送るのであった。

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