第34話 34

34


インターネット掲示板スレッド


『怪我を治す神の奇跡を信じる?スレ★109』


109 名もなき神の奇跡


速報

リョー様が15時48分でFCリョー様会を解散と発言。

理由は世間及とコメンテーターの宮川みやがわ敏郎としろう氏の厳しい言葉。

今後はSNSで伝えるとの事。


110 名もなき神の奇跡


宮川みやがわ敏郎としろう○ね


111 名もなき神の奇跡


>>110

反応早い。

世間の女性から攻撃されるぞw


112 名もなき神の奇跡


女性だけじゃなくても、傷もちからは攻撃対象だろ


113 名もなき神の奇跡


多額の金払って会員になった人からみれば攻撃の対象だろうな


114 名もなき神の奇跡


宮川みやがわ敏郎としろう絶対に許さない!

もうすぐ順番が回って来たのに!


115 名もなき神の奇跡


宮川みやがわ敏郎としろうが出ていた情報番組内容変更になっているぞ


116 名もなき神の奇跡


リョー様の力ありすぎだろw


117 名もなき神の奇跡


番組のスポンサーにもリョー様ファンがいるだろうしな


118 名もなき神の奇跡


宮川みやがわ敏郎としろう南無


*


私の名前は宮川みやがわ敏郎としろう

記者会見が上手い事進みリョー様を追い詰めたと思ったが、リョー様が予想だにしていないとんでもない発言をした。

なんと、FCリョー様会を解散したのだ。

私もいろんな想定はしたが流石に解散はしないだろうと思った。

なぜなら、解散すれば収入が無くなるからだ。

しかしリョー様は何のためらいもせずに解散に踏み切った。

そして最悪な事にその理由は世間と私の発言だと言い切ったのだ。

私はこれはマズイと思いリョー様達が記者会見場が出るのを呼び止めたが、止まる気配がなかったので飛び出したがボディーガードらしき人達に止められてしまった。


私はしばし茫然と記者会見場に居たがここにいても仕方がないので一度帰宅した。

しかし、ここからが悪夢の始まりだった。

自宅に帰るなり家族からとんでもない事をしたと言われたのだ。

私はまさかと思い携帯でSNSを開いて見ると、とんでもない事になっていた。

私への誹謗中傷が列を成してやって来ていたのだ。

私はこれはさらにマズイと思い、次の生放送で謝罪をしようと考えたがその考えは甘かった。


テレビ局からは出演を控える通知が届いたのだ。

私は一言だけ録画でも良いから謝罪を流して欲しいと要望したが、スポンサーの意向もあり無理だと言われたのだ。

長年出演して頑張って来たのにこの仕打ちかと思ったが、テレビはスポンサーありきの世界だ。

私はその日はどうしようもなく悶々としながら就寝した。

翌朝私が出ていたテレビを見たが驚いた。

セットがガラリと変わっていて、メインの司会者は同じだが出演しているのはお笑いとか若手の俳優や女優で、内容は政治とかそう言う事からかけ離れていてショッピングモールのどこのお菓子が美味しい的な事が流れていたのだ。

まるで私が存在していなかったような火消しだと思った。同時に私はこの場所へは二度と戻れない事も悟った。


一局がダメなら他もどうかと連絡して見たが、同様に出演を断られた。

私が粉を掛けたリョー様とはそれ程までなのかと、ここに来て初めて知った。

しかし批判したのは私だけではなく、世間のSNSもなのにと思ったが世間のSNSはツイ消しに走っているらしく、私の顔出しコメントだけがショート動画で流れているのだ。

その動画のコメントは目を覆いたくなるようなヒドイコメントの嵐だった。

私はこのままだと家族に被害が出ると思い直接リョー様に謝罪をしようと考えた。


名古屋市郊外にある宗教団体オクトパス教団の建物へとやって来た。

建物は高い塀に囲まれていて門には門番らしき信者が立っていた。

門番の服装は赤い浴衣にタコの文字が入った着物?だ。

私は勇気を振り絞って声を掛けた。


宮川みやがわ敏郎としろうと言いますがリョー様に会いたいのですが」


門番の女性は私を上から下までジロリと見た後返答をした。


「リョー様はいらっしゃいません。それに一般の方とはお会いになる事は絶対にありません。お引き取りを」


私の予想通りの返答が返って来たので要件を伝える。


「リョー様に謝罪をしたいのですがどうしたら良いですか?」


これは私の持論だが謝りたい者を無碍むげにはしないだろうとの考えだ。

すると案の定門番の女性は携帯で連絡を取っていた。

そして電話が終わると口を開いた。


「謝罪は不要との事です。今後も関係を持つ事がないのでお引き取りを」


私はその言葉を聞いて愕然となった。

つまり打つ手が全てなくなったと言う訳だ。

私は力もないし強くもないのでこのまま引き返すしか方法がなかった。

私は自宅へ帰る道中に何故禁忌となる宗教関連へと手を出したのか自らを呪った。

いつも通りに適当な事を番組でヘラヘラと話していれば仕事を干されるでもなく、平穏無事に生きてこれたのにと。

そして私は家に帰ると同時に家族へと謝罪した。

家族の返答はとりあえず世間が落ち着くまで静かに暮らしてみようと言う事になった。

私は家族の温かみを感じしばらくは働く事はせずに静かに暮らす事にした。


*


僕は記者会見で予定通りにすべては世間とコメンテーターの宮川みやがわ敏郎としろう氏のせいにして、FCリョー様会を解散した。

会見場から出る際には報道関係者が押し寄せて来たが僕達は無視する画の如く会場を後にした。


少し前の話にはなるが海海かいかい先生からは指摘があった。

いずれだが世間からリョー様の事についてバッシングなりそんな事が起こる予想があると。

その時の僕は「そうなんだ」程度の思い出聞いていたが現実となり正直ビックリしている。

その時の先生の言い分では金を持っている者ほど先に施しを受けるので、妬みからくるだろうと。

だけどそんな事はどの世界でも同じように思えるのだが、怪我と言う切羽詰まった状態なら尚更と言う訳だ。

その話から月日が経ち今に至るのだ。

当然ながらこの先の展開もすでに考えてあるとの事だ。


僕達は記者会見から翌日にとある施設へと足を運んだ。

それは父さんが良く使っている教団施設、一生笑顔スマイリー教だ。

宗教団体オクトパス教と一生笑顔スマイリー教が顔合わせするなんて不思議と思うかもしれないが、僕の家で僕を守る為の条約が交わされて以来二つの教団は僕について話を薦めて来たとの事だ。


応接室に僕と宗教団体オクトパス教から教祖 たこ海海かいかいと助手1名、一生笑顔スマイリー教からは教祖 笑顔えがお万歳まんさいと助手1名の5名だけが集合した。


笑顔えがお万歳まんさい「それでは役者がそろった所で今後についての話をする。以前からたこと話合っていた事だが、リョー様がFCリョー様会を解散した後に新たに二つの宗教の分家として会社のような教団を立ち上げる事にした」

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