第32話 32
32
私は
今日は警察庁トップの
外務大臣の
顔の特徴はほぼ日本人だが母の影響か背は180くらいありとても大きいのが特徴だ。
顔は何処から見ても日本人の50歳なおじさんだ。
私はにこやかに挨拶し本題へと移った。
取引内容はリョー様の家族を守る代わりに奥様の美容のお手伝いをすると言う物だ。
私は違法だが厚生労働省の端末から医療保険がどのように使われているかを調査した結果この取引を申し出た。
私は自分で話ながらシグナルスキャン君の依頼は、僕の進退を揺るがす物しかないんじゃないかと思ってしまったのは、当然の如く今回だけではない。
以前にも考えたくはないがいろいろと危ない橋を渡らせてもらっているのが現状だ。
外務大臣の
日本に居る駐在大使関連の仕事も受けて欲しいとの事だ。
私は想定の範囲としていたので直ぐにOKを出した。
リョー様の力を少し使うだけで安全が担保されれば安いと考えたからだ。
当然だがリョー様を日本の外に出す事は当然却下した。
こうして外務大臣の
*
時は過ぎて正月が明けた。
夏から正月までは特にになく通り過ぎて行った。
当然だが夏休み明けの試験はなんとか父さんを納得させる事が出来僕なりに安心した。
それから父さんから話が合ったのだが、僕達家族の安全は国の機関に依頼したとの事だ。
影ながら見守ってくれるとの事だけど危ない場所等へは行かない様に言われた。
まあ、自分から危ない場所なんて行かないと思ったが何があるか分からないのが人生だ。
-
僕は今ステージ脇のスタンバイ室でゆったりとくつろいでいる。
今日は正月のイベントでクイズで残った3人を無償で治癒するイベントだ。
当然それにはカラクリがあり動画を撮影しネット上に上げるのが条件になっている。一応顔にモザイクは入れるが見る人が見れば分かってしまうが、そこはFCリョー様会としては見て見ぬふりで行くつもりだ。
そして今回のイベントには『バーコードとえんぴつ』のコンビがクイズを出すと聞かされた。
僕は昔ショッピングモールで見た光景がフラッシュバックして来てとても嫌な気分になったが、僕が指定した訳ではないのでそこは目を瞑る事にした。
そしてイベントが始まった。
「みなさ~ん、こんにちは~今日はFCリョー様会感謝イベントに集まりありがとうございます。司会進行は高橋ゆいかが行いますよろしくお願いします」
暖かそうなダウンジャケットを着たお姉さんが声を掛けると会場からは拍手が起こる。
「それでは早速クイズを出してくれるゲストをお呼びしますね。バーコードとえんぴつさ~ん、どぉーぞぉー」
お姉さんの声で脇から太った男と細い男が出て来た。
「どうもぉ~バーコードとえんぴつデス!よろしくお願いしまーす!」
太った派手な服を着た男性が大声を出す。
「元気が良すぎてうるさいんだよ」
細く黒いとんがり帽子を被った男性が、太った派手な服を着た男性の頭を叩く。
「俺の頭が薄いからって打撃による育毛促進はやめてくれよ!」
「誰が育毛促進で叩くんだよ!うるさいから少し静かにな。それでは自己紹介をします。黒いとんがり帽子がトレードマークのえんぴつと言います、よろしくお願いします」
えんぴつが頭を下げると会場からまばらだが拍手が起きる。
「そして私こそこれ!」
太った派手な服を着た男性が頭を下げ会場に向け、指でバーコード頭を指す。
「が、目印のバーコードです。よろしくお願いします」
会場からまばらだが拍手が起きる。
「それでは早速クイズに入りますがクイズに参加する方は起立して頂き、クイズには右手が○、左手が×で答えて頂きます。起立や手が上げれない等不自由がある方は今ここで手を挙げて下さい。スタッフがお手伝いをしますので安心して下さい」
お姉さんが会場に向かい話すと3人程度だが手が挙がりスタッフが駆け寄って行った。
「それではクイズを始めますので起立をお願いします。クイズに間違えた方は着席をお願いしますのでよろしくお願いします」
お姉さんがここでバトンをバーコードとえんぴつに渡す。
「それではクイズはバーコードとえんぴつが交互に出して行きますので頑張って答えて下さい。ちなみに事前にホームページで告知した通りに私達のファンなら答えられるようにしてありますのでお楽しみに」
えんぴつがマイクを持ち話す。そしてそのままクイズを出す。
「第一問!私えんぴつは結婚している!○か×かお答えください」
「おっ~と、これはバーコードとえんぴつのファンにはサービス問題なんですかねぇ~」
お姉さんがえんぴつに質問する。
「いやぁ~実はファンにもまだ公表していないんですよね」
「ちょっとえんぴつさん!それ、答えになっていませんか?」
お姉さんが突っ込むと会場から笑いが起こる。
「あちゃ~やっちゃいました!え~い!全員正解です!私実は結婚しました。3日前に」
えんぴつが言うと会場から拍手が起こる。
「ちなみにどんな方と結婚されたんですか?」
「恥ずかしながら相手の事良く知らないんですよね。なんか牢屋の中にいる女性みたいで…」
一瞬で会場が静まりかえったがお姉さんは直ぐに切り返した。
「さぁ!次はバーコードさんの質問へ行きます。お願いします」
「はい、それでは行きます。私バーコードは体臭が臭くない!臭くないは右手○、臭いは左手×を挙げて下さい」
会場がざわめく。
「こっ今回も又際どい質問ですがノーヒントで行こうと思います。それでは一斉に手を挙げて下さい」
会場から手が挙がる。そのほとんどが左手だった。
「さあ、バーコードさん答えは!」
「僕は臭くありません!右手が正解です!」
すると会場から声が飛ぶ。「嘘つけ!」「臭いだろう!」
ほとんどがヤジである。
それにバーコードが切れ芸を発揮する。
「お前らふざけんじゃねぇーぞぉ!俺は自分で匂いを嗅いでも臭くないんだよ!人がどう思うと知るかよ!」
正しく会場がドン引きであるがこれもクイズなのでお姉さんから声が掛かる。
「これは引っ掛け問題でしたね、それでは残念ですが左手の方はお座りください」
会場の9割がいきなり着席したのだ。
これはお姉さんもドン引きだが仕方ないので継続する。
「えんぴつさんクイズをお願いします」
「私えんぴつはデートした事がある。あるは○で右手、ないは×で左手です」
「今度も少し変な質問ですがお願いします」
会場から手が挙がる。そのほとんどが左手だった。
「さあ、えんぴつさん答えは?」
「当然あるの右手が正解です」
会場からは「嘘つけ~」などのヤジが飛ぶ。
するとえんぴつが切れ芸を発揮する。
「デートは女とするとは限らねぇんだよぉ!俺はこの前バーコードと公園デートを楽しんだんだよ」
すると会場からヒソヒソと「女を諦め男に走ったか」などと陰口が叩かれ始めるが、えんぴつはそんな事はお構いなしに続けるのだった。
その後も卑猥な質問が会場をどよめかせるがなんとか強引に3人まで絞り込んだのだ。
僕はその一部始終を見ていて最悪なイベントじゃないかと思い、後で企画した奴に文句を言う事に決めた。当然駄目だしはバーコードとえんぴつを呼んだ奴だ。
僕はため息をつきながらスタンバイ室を出て会場の舞台へと上がった。
そしていつも通りに治癒を発動し、いつも通りに仕事を終えたのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます