第30話 30
30
僕は能力を使い男性を治癒したのだが、力の使い過ぎで倒れた。
そして些細な事があり病院の院長と二人で話している時に聞かれた。
「君は金持ちにはなりたくないかね?」と。
正直に答えればなりたいだが僕は高校一年生でそこまでお金と言う物に固執していないのが真実だ。
なのでありきたりだがこんな答えを返した。
「なりたくないと言えば嘘になりますけど、その金持ちになって何がしたいかが見えません」
「じゃあ視点を変えて遊んで暮らすと言う事には憧れるかね?」
「遊んで満足出来ればいいのですけど、それって飽きてきませんか?」
「ははは、素晴らしい答えだ。君の質問に答えれば答えはYESだ。仕事と言うのは労働だ。だが労働の中に発見があり面白さも見えては来るが、日々遊びをしていればそれ以外が見えてこないのだ。他人の作った物で遊び充実出来るのは、自分も日々何かをしているからこそなのだ。だが、遊んで暮らすと金持ちは違うぞ。この世の中はほとんど金で買えない物がない。逆に言えば金さえあれば何かが出来るとも言える。今君は若い。なので金の重要さがイマイチと言うのも分かる。もし金持ちになりたければいつでも私に声を掛けて欲しい。君の能力さえあれば上限なしに金を出す連中がたくさんいるのでね」
院長はそこまで言うと椅子から立ち最後に言葉を掛けた。
「今日はお疲れだった。ゆっくりと休むと良い」
そして院長は部屋を退出したと同時に僕に眠気が来て僕は睡眠に入った。
*
俺が
すると先ほど病室に居た医者が廊下から歩いてきた。
俺は一応挨拶をする事にした。
「先ほどはどうも。挨拶が遅れましたがシグナルスキャンと言う病気占いをしています」
俺は名刺を差し出した。
「これはご丁寧に。私はこの病院の院長をしている、
俺は院長から名刺を受け取った。
俺から挨拶したのだが院長の方から話題を振って来た。
「今日はあの有名なシグナルスキャンには会えるし、今話題のリョー様にも会えた。とても面白い日だ」
「面白いですか?」
「ああ、誤解しないでもらいたいのだが、神の奇跡のような事を成す二人を見て面白いの他に言葉があるかね?私は理論や科学と言った物理現象は理解しても、君達の力は理解できない。なので面白いと言う言葉が合うと思う」
「なるほど確かに面白いが合うかもしれませんね」
俺はにこやかに笑う。
「ほう、シグナルスキャンと言う男はユーモアもわかる人物とは、これは馬が合うかもしれんな」
「お手柔らかに」
「うむ、少し前だが息子さんの容体を見て来たが問題はなかったぞ。その時に少し話が出来たので私は金持ちになりたかったら連絡をするように誘いを入れておいた」
「そうですか。息子がなんて答えたか当てましょう。あまり金に興味がなさそうだったんじゃないですか?」
「ははは、流石親子だな。彼は自分の価値が見えてない様な感じだったな」
「見えてない事はないのですが、欲しい物や金を使って何かしたいと言うのがないのだと思いますよ」
「ふ~む」
院長は俺を値踏みするよに見て口を開いた。
「親子で思考は同じみたいだな」
「いえいえ、俺は金持ちになりたいと思いますけど、欲しい物とか何がしたいと言われれば『あまりない』と言いたいですけど、最近忙しいのでゆっくり温泉旅行にでも行きたいと思います」
「温泉旅行か…君の一日の稼ぎでなん十泊もできるんじゃないのかね?」
「それを言うなら先生も同類じゃないんですか?」
「まったくだ。金があり日々を豊にしているのだが、その日々に追われているのが現状だよ。だけど今日はとても面白い物を見せて貰った。世の中にはあんな事が出来る人間がいるのだと驚いたよ。まあ、私には強すぎる力なので無用なのだがね」
「強すぎるですか?」
「ああ、人の出来ない事が出来るのは凄い事だ。同時にその力を巡って争いやもめごとが起こるのも世の流れと言う奴だよ」
「そうですね、俺はその強すぎる力を守ろうと手を尽くしている最中なんですよ」
「そうか、頑張りたまえ。金が欲しくなったら連絡をしてくれ。金持ちを紹介しよう」
「ありがとうございます。もしピンチの時は連絡をします」
院長は俺と話すと病室へと入って行った。
俺が院長を見送ると丁度、
「あっお疲れ様です」
「シグナルスキャン君もお疲れ様。息子さんの容態は?」
「ええ、院長からも問題ないと言われました」
「それは良かった」
「シグナルスキャン君今日はありがとう。お蔭で孫は人生を取り戻したよ。それから
「ありがとうございます。よろしくお願いします」
俺は深々と頭を下げた。
「それではシグナルスキャン君、今日はここまでと言う事で息子さんによろしくと伝えてくれ」
「分かりました。それでは失礼します」
俺は
それから直ぐに
「良く寝れましたか?体調はどうですか?」
女性の看護師が
「寝れましたし、体調は大丈夫だと思います」
「それでは心拍系等の器具を外しますので少し待ってくださいね」
看護師は
「はい、大丈夫ですよ」
すると
「大丈夫か?
「うん、大丈夫。今何時?」
「今は午後4時過ぎかな。もしかしてご飯を食べたいのか?」
「うん、なんか凄いお腹が減った感じがするよ」
「そうか、それなら美味しいご飯を食べに行こう」
俺は看護師に挨拶をして部屋を出ようとした時に女性の看護師が話しかけて来た。
「リョー様、又ね」
女性の看護師が
それから俺と
焼き肉は
俺と
「今日の仕事は辛かったか?」
「そうだね気を失ったのは初めてだよ」
「そうか、だけど治せる事が実証されたな」
「うん、父さんもいろいろ占いの実験を繰り返したの?」
「俺の場合は占い結果を如何に患者に上手く伝えられるかとか、病状に対してのアドバイスを勉強したりしたな」
「病気だからいろいろあるんだね」
「だけど
「あっあの人はリョー様の力で肌を治したいみたいだよ」
どうせ、言い寄られたのだろうと。
「そうか、まあそう言う事はこれからも良くあると思って対処した方が良いぞ」
「良くあるの?」
「ああ、父さんもいろいろな事があったからな」
「そうなんだ…頑張るよ」
「ははは、頑張るじゃなくて慣れるんだぞ…と、忘れる所だった」
俺は鞄からチケットを取り出して
「これは何のチケット?」
「これは名古屋最大のプールの優待券だ。今回の褒美に用意してあったものだ。最大10人までこのチケットで入れるから友達達と行くと良い、ただし、高校1年だけじゃ不安だから年上の保護者的な人も連れて行くようにな」
「ありがとう父さん、早速皆に連絡して予定を入れるよ」
俺達は焼肉を食べた後、新幹線で自宅のある名古屋へと帰ったのだった。
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