第28話 28
28
私の名前は
シグナルスキャンの息子のお蔭で妻の足が治り私はシグナルスキャンの家族に宣言した。
君の家族は僕が全力を投じて守ると約束すると。
私は手始めに警察庁のトップから攻略する事にした。
私の情報によれば自分の娘の子供つまり孫が交通事故により下半身麻痺との情報を得たからだ。
この怪我を治せば道は開けると思うがリョー様に治せるかは不明なので、シグナルスキャンに電話して聞いた。
結果は恐らくは治せるだろうがリョー様は治すのに体力を消耗するらしく、治癒後のリョー様のケアは必須との回答を得た。
私は初めに警察庁長官の
この
人柄は簡単に言えば
私は平日ではなく休日の昼下がりに都内の喫茶店にて
彼は約束通りの時間に来てくれた。
「お久しぶりです。
私は丁寧に頭を下げた。
「確かに久しぶりだな。以前会ったのは
私は
「ありがとうございます。早速ですが話をさせて頂きます」
白髪交じりの髪をオールバックにした
私はこの男と交渉するのだと思うと身震いがするが、心を押し殺して声を上げる。
「初めにリョー様と言う動画をご存じですか?」
「リョー様?すまんな初めて聞いた。私は動画等は仕事以外は見ないのでな」
「そうですか。それならば話すより見て頂いた方が早いですね」
私は鞄から大きなタブレットを出し
動画は動画配信で流れている物を録画しておいた物だ。
内容はリョー様が女性のニキビ等を治す動画だ。長さは2分程。
「なっなんだ!この動画は?トリックなのか?」
聞かれるが私は答えない。動画が終わるまでジッと堪える。
そして動画が終わると同時に私は一気に畳みかける。
「この動画に出ているリョー様がお孫さんを治せると言ったらどうしますか?」
「嘘ではないのだな!」
それはとても低く重低音のある声だ。
「はい、私の知り合いの息子がこの動画に出ているリョー様です。彼なら
「対価は何が必要だ」
「話が早くて助かります。第一にこのリョー様の家族を対外から守ってもらう事。第二に只とは行きませんので通常の1/100以下の対価である100万円を払っていただきます。さらにこれは対価ではありませんが、この話及び治療する際の秘密保持をして頂きます。以上です」
「なる程な、対価が安い理由は差額は自分で補填してでも彼らを守れと言う事だな?」
「それは
「ははは、食えん男よな。だが、もし本当に治るのであれば全ての要望を飲もう」
「契約成立ですね。それでは段取りに入りたいので病院などの詳細を教えてください」
私は緊張をほぐしながら
-
それから数日の後、私、
病院と言う事と少しでも人目を欺く為に全員がマスク姿だ。
私達は素早くロビーを通り越して上の階にある、
病室の中に白衣を着た初老の男性と女性の看護師が2名、そして
私は素早く任務を果たす為に最初に紹介と準備を確認した。
まず、
次にシグナルスキャンと
「はじめに皆に紹介させてもらう。こちらが今回ご子息を治療して頂ける方だ」
シグナルスキャンと
「今から起こる事、話す事は全て機密事項とする。破った者はこの
「それでは異議なしとして事を進める。
私は頷いてシグナルスキャンへと目線を向けて声を上げる。
「鈴木さんお願いします」
シグナルスキャンは頷いて声を上げる。
「今からご子息を治療しますので、患部がさわれるように準備をお願いします」
シグナルスキャンの声を聞いて看護師の女性二人がベッドへ行き男性を横に向け、着ているパジャマを首元まで捲くり上げる。そして初老の男性医師がベッドの男性へと近づき持っていたペンで腰より少し上の辺りに×印を書いて声を出した。
「この場所が幹部に近い場所です」
「ありがとう、リョー様頼む」
シグナルスキャンが礼を言い息子へと声を上げる。
「それでは行きます。ゴッドタッチ!」
そして
すると初老の白衣を着た医師が声を上げる。
「早くこちらのストレッチャーへと寝かせて下さい」
シグナルスキャンは無言で
寝かされた
医師が脈拍系や首元を触り声を上げた。
「問題はないでしょう。少しそうですね2時間程は寝かせる必要がありますね」
「分かりましました。後ほど部屋を移動しますのでお待ちください」
シグナルスキャンが医師へ頭を下げながらお願いした。
私は一段落したと思い声を上げる。
「
「先生、孫の容体の確認をお願いします」
医師は
「それではまず初めに右足に意識を集中して動かしてみようか」
男性は頷くとゆっくりと右足を曲げると共に声を上げた。
「うっ動く!俺の足が動くぞ!」
「落ち着いて次に左足を動かしてみよう」
そしてベッドの男性が左足を動かすと同時に
「たっちゃん!良かった、良かった!お母さんもうダメかと思った~!」
「母さん!恥ずかしいから止めてくれよ!そっそれよりあの人にお礼をしないと!」
ベッドの男性が
ベッドの男性や母親…いや、白石家にとって少し遅い七夕の奇跡が舞い降りた日になった。
それを見届けたシグナルスキャン達はストレッチャーと共に静かに病室を後にしたのだった。
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