第24話 24
24
俺はシグナルスキャン。
今日は以前
久しぶりの家族3人での外食に俺は少しだけだが楽しみにしていた。
まず、
俺もある程度稼いではいるが残念ながらその金を使う場所と言うか暇がないので。
俺達は街角にある
洋食屋の様な構えなのだが一元様お断りと言った感じの店だ。
俺はドアを開けてまずはゆうこをエスコートする。
ゆうこは紺をベースとした上品なワンピースを着て俺の前を通り過ぎる。
そして
店の中に入ると燕尾服を着た男性が立っていて俺が
奥のテーブル席に行くと
「お待たせしました」
俺は
「やあ、シグナルスキャン君。とりあえず座ってから話そう」
俺達は言葉のままに案内してくれた男性に椅子を引いてもらい腰を下ろした。
最初に口を開いたのは
「先に紹介させてもらうと、僕が
「初めまして、
続いて俺も挨拶にうつる。
「俺が鈴木健一でシグナルスキャンです。そして妻のゆうこと息子の
「ゆうこです。いつもお世話になっております」
「
挨拶が終わった所で
「今日は両家族の親睦として食事を用意したので楽しんで欲しい。最初に大人はワインを用意したけど良いかな?」
「ええ、構いません」
俺は返事をする。
そして再び
「君が
「はい、リョー様と言う名でアルバイトをしています」
「ははは、アルバイトかね」
「ええ、アルバイトです」
「面白い、実に面白い答えだ。流石シグナルスキャン君の息子さんだね」
ひとしきり笑い終えると又口を開く。
「いや、笑ってすまない。それで凄い力を持っていると聞いたんだけどどうかな?」
「凄いと言われればそうかもしれませんが、僕にはどれだけ凄いかは分かりませんね」
「ふむ…なら、一つ妻の足を治してもらえないか?数年前だが左太ももの骨を骨折して歩くのに支障があるんだけどどうかな?」
「
「分かりました」
「
「ええ、よろしくお願いします。どうすればよろしいですか?」
「僕の力は傷の治癒になりますので直接触らないと治癒出来ませんが…」
ほんの少し恥ずかしいのか頬を赤らめていた。同様に
「これで手を入れれるかしら?」
そして恥ずかしいのか直ぐに声を上げる。
「行きます。ヒーリングタッチ!」
そして
「たぶん治りました」
俺は
「奥様、一度立ち上がって歩いてみてはいかがですか?」
「ええ、そうさせて頂きます」
そしてゆっくりと右足から前へ出して歩き出す。
一歩、二歩、三歩と…。
少し歩くとこちらへ振り返り目に涙を浮かべながら声を上げた。
「いっ痛くないです。こっこれで又歩く事が出来ます。これで又主人と散歩が出来ます」
そして
「ありがとう。ありがとう。あなたのお陰で又歩く事が出来ます。私の残りの人生を取り戻してくれてありがとう」
「よっ良かったですね」
そして
「
「あら、ごめんなさいね」
それと同時にワインと
それぞれにワインが注がれると
「それでは両家の親睦会を始めたいと思う。始めにこれだけは言わせてくれ
「乾杯!」
全員がグラスを持って声を上げ口に含む。
それは両家がさらなる強い絆で繋がれた証拠であり、又新たな物語の始まりの予感がした。
*
ヨウコは頭脳は当然だがスポーツも万能でその裏にはスポーツで使う筋肉を柔軟に使えるように、日々ストレッチ等を行い体を柔らかくするように心がけていた。
「1、2、3、4、5、6、7、8っと。よしこれで今日のストレッチは終了と」
ヨウコは汗を拭きながら扇風機を自分に当てベッドを背もたれにして床に座りながら考えていた。
考える事は一つ。
どうやってイブキから
自分でも思うが顔もスタイルもイブキより確実に上だと思う。
だけど今一歩自分でも何か足りないとも思うが、それが何なのかは不明だ。
そして思う。
しばし考えボツとする。
既成事実を作ったとしてもそれはあくまでも体だけの関係で、心の結びつきはないからだ。
ただ、
『結婚相手つまり夫人には一人しかなれないが、愛人のような形でもリョー様を繋ぎ留めれるならそう言う形でも教団は応援する』との事だ。
釈に触るが婦人の座はイブキに渡して愛人に留まろうかと思うが、まだ諦めるのは早い。
もう少しリョー様との間を詰める必要があると思い思考の海へと沈むのだった。
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