第11話 11
11
高校では期末試験が終わりクラスメイトで一番仲が良い
そしてそのイベントに行こうとの話になったが、なぜかイブキ、ヨウコそして
イブキの最初の目的は同じ中学出身で集まろうとの話だったが、そこへ高木君も入れての開催となったのだ。
僕は大勢の方が楽しいので良いのだが、正直父さんの出るイベントは見たくないなと思った。
恥ずかしいからね。
そして週末、僕達はショッピングモールにて集合した。
メンバーは僕、
女子の方が多いのはどうかと思うがまあ良いとした。
僕達はイベントの席が取られないように早めに椅子に座って待つ事にした。
待っている間は夏休みに何処に遊びに行くかなどの話をしているとお姉さんが出て来てイベントが始まった。
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舞台上にカジュアルな服を着た20代の綺麗な女性がマイクを持って登壇した。
「みなさ~ん!こんにちは~!ショッピングモール20周年記念イベントの司会をさせて頂きます、高橋ゆいかと言います。よろしくお願いします」
ショッピングモール一階のホールに高橋ゆいかが声を上げると拍手が巻き起った。僕達も同じように拍手を送る。後ろの方を見ると全体でたぶん100人くらいは見ているのではないかと思う。そして上を見て見ると二階の通路から身を乗り出して下を覗いている人がたくさんいた。
これは父さんじゃなくてシグナルスキャンが来るのがわかって集まっているのか、それとも芸人が目当てなのか分からないが楽しいイベントになるんじゃないかと思った。
「今日はですね三組のゲストに出演してもらいイベントを盛り上げてもらいたいと思います。それでは最初にいきなりですが大物ゲストをお呼びしたいと思います。病気占いのスペシャリスト シグナルスキャンさんどうぞぉ~!」
白いロングコートに白いパンツを履いて、顔には白い仮面を付けた男性が登場した。
会場からは割れんばかりの拍手が起こる。
僕の父さんだ。
父さんは会場のみんなに手を振りながら口元は笑顔で登場した。
横に座っているイブキから耳打ちをされた。
「あのシグナルスキャンって人、
僕は頷くだけにした。
「こんにちはシグナルスキャンさん」
「こんにちは」
「今日はイベントに来ていただきありがとうございます」
「いえ、楽しみにして来ました」
高橋ゆいかさんは会場の方を向いて話だす。
「実はですねこちらのシグナルスキャンさん大変人気で、イベント出演はかなり久しぶりと言う事なのでみなさん、シグナルスキャンさんの起こす奇跡を良くて見てくださいね」
会場からは拍手が起こる。
「それでは病気を占ってもらうのは…昔、太陽の陽を浴びながら麦わら帽子で踊るCMで一躍有名になり、その後俳優、
白いワンピースにハイヒールを履いて頭には麦わら帽子を被った美人が登場する。
勝つてはシグナルスキャンとの密会なんて記事もだされたが、それは既に過去の話。現在43歳になった
「こんにちは
舞台中央に立つと綺麗なお辞儀をする。少し胸元がゆるそうな服をワザと着ているのか、観客の男性陣をドキリとさせてしまうのだ。僕もその一人で母と同じくらいな歳なのに凄く綺麗だった。
「司会の高橋ゆいかですお願いします。それでは早速質問なんですが
「え~それ聞いちゃいますぅ?」
「ええ、ズバリ聞いちゃいます」
「実は…会った事あります。彼が今の様にまだ皆さんに知られていない時からのファンで会いに行った事あります。言っちゃった」
「聞きましたか皆さん!あっこれ1時間以内にニュースサイトに乗りますね」
「やめてくださいよぉ~変な意味じゃないですから」
「ほんとですか?」
「ええ、それ以来会うのは20年近くぶりですからね。そうですよねシグナルスキャンさん」
「そうです。お久しぶりです」
シグナルスキャンが答える。
「これは凄い事になりましたね~。そんな久しぶりに会った女優さんの病気を占う気持ちはいかがですか?シグナルスキャンさん」
「変な気持ちはありません。私の病気占いは地位や名誉に関係なく平等ですのでって、ちょっとカッコよくいいましたね」
シグナルスキャンがにこやかに笑う。
「う~ん、なんか誤魔化されたような気もしますが早速お願いします」
シグナルスキャンが右手を
「シグナルスキャン!」
シグナルスキャンは占い記入用紙にサラサラと記入しそっと
「それでは結果が出たようです。
「病気占いの結果は腰痛です」
「さあ、
「大当たりでーす」
「実はですね今映画の撮影をやっていまして、そこでアクションシーンがあるんですよ。それが私の初のアクションシーンでして私張り切り過ぎて「おりゃ」なんて声を出して演技したら、腰から「ゴリッ」て音がして…腰痛になりました」
「大丈夫なんですか?」
「ええ、現在は回復方向に向かっているはずですので…ってシグナルスキャンさんが居るの忘れていました。シグナルスキャンさん回復ですか悪化ですか?どちらか教えてください」
「一応回復方向ですが少し安静にした方がよろしいんじゃないですか?」
「うそぉ~そう言う時は回復って言ってくれないと監督から演技中断されちゃうじゃないですかぁ~もぉ~イジメちゃいますよぉ」
「はいはい、回復ですよ」
すると会場から笑いが起きる。
「よし回復の言葉頂きましたので監督に伝えます」
会場からはパチパチと拍手が起きる。
「さあ、お話を続けさせて頂きたいのですがお二人共ここまでの出演となります」
会場からは「え~!残念」などの声が飛ぶ。
「皆さん暖かい握手でお見送り下さい。
二人が手を振りながら壇上を後にした。
「さあ、それではもう一組のゲストをお呼びしたいと思います。コンビを結成して25年の大ベテランでして、少し前にコンビ名を変更された経歴をお持ちのお二人をお呼びしたいと思います。バーコードとえんぴつのお二人です。どぉーぞー」
メガネを掛けた太った頭皮の薄そうな派手な服を着た男性と、メガネを掛けた細そうな黒いとんがり帽子を被った男性が二人登場した。
「どうもぉ~バーコードとえんぴつデス!よろしくお願いしまーす!」
太った派手な服を着た男性が大声を出す。
「元気が良すぎてうるさいんだよ」
細く黒いとんがり帽子を被った男性が、太った派手な服を着た男性の頭を叩く。
「俺の頭が薄いからって打撃による育毛促進はやめてくれよ!」
「誰が育毛促進で叩くんだよ!うるさいから少し静かにな」
「しょうがない、静かにしてやるからお前が話せ」
「何その態度ムカつくは~まず、僕達の元の芸名を発表したいと思います。ダららららららじゃん!『
えんぴつが頭を下げると会場から拍手が起きる。
「そして私こそこれ!」
太った派手な服を着た男性が頭を下げ会場に向け、指でバーコード頭を指す。
「が、目印のバーコードです。よろしくお願いします」
会場から拍手が起きる。
えんぴつ「今日はねショッピングモール20周年記念と言う事でまず私達のコントをやりたいと思いますが、その前にコンビ名をなぜ変更したかをちょっとだけ話します。
バーコード「えんぴつ!制裁なんて言葉はダメだろ!嫌がらせにしなさい」
えんぴつ「嫌がらせをします。とんがり帽子でお尻を突っついちゃうぞぉ」
会場から音が消え
えんぴつ「コントに入ります」
バーコード「コント悩み!なあ、聞いてくれよ俺この前お前に口が臭いって言われたよな」
えんぴつ「ああ、言ったよ。だって下水管の方がまだいい匂いがすると思ったもん」
バーコード「それは言い過ぎだろ!?」
えんぴつ「いいや、もしかしたらお前の口が下水管?」
バーコード「俺の口はクソ以下か!って、言い合いはそこまでで、俺は真剣に悩んで口臭外来を受信したんだ」
えんぴつ「で?どうだったんだ?」
バーコード「口臭外来の先生さあ…俺でも鼻を摘まむくらいに口が臭いんだよ。俺思わず先生に会った瞬間に『口くさっ』て言っちゃったんだ」
えんぴつ「それはまずくね?」
バーコード「先生は少し苦笑いしていたけど、絶対にあれは怒っていたね。それで俺はこの病院では絶対に治らないと思ったんだ」
えんぴつ「それでどうしたんだ?」
バーコード「先生に先生の口が臭いの治ったらもう一度来ますねって言って帰って来た」
えんぴつ「お前ってデブなのに凄い行動力なんだな」
バーコード「デブは余計だろ!それでな口臭を諦めて次に体臭が気になるから皮膚科に行ったんだ。そして皮膚科の先生に会った時に衝撃な事を言われたんだ」
えんぴつ「どっどんな事を言われたんだ?」
バーコード「お風呂入っていますか?もし入っていないなら入ってから来てください。鼻が利かなくなったらどうするんだよって毒づかれたんだ」
えんぴつ「俺も皮膚科の先生なら同じ事言うな」
バーコード「おい!俺はそこまで臭いのか!」
えんぴつ「すっすまない!臭いんだよ!匂いを消す方法があるけど試すか?」
バーコード「この際なんでも試してやるぞ」
えんぴつ「塩素だ。昔はプールに入る時は皆使っていたんだ。あれ匂いが消えるらしいぞ…有害かは知らんけど」
バーコード「わかったよ。俺は溶けるまで入る事にするよ」
えんぴつ「わかってくれたか」
バーコード「止めろよ!」
バーコードとえんぴつ「ありがとうございました」
笑っていいのかわからないのか、拍手だけは会場から起きたのだった。
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