第10話 10
10
僕がスマホのタコショッピングモールのアプリ内のポイントを再度確認すると、やはり5千ポイントが入っていたのでイブキに聞く事にした。
「イブキ、ポイントが5千入っているんだけど間違いなの?」
その答えはイブキではなく目の前の
「
「この交通費は先ほど話したように来るたびに毎回現金で渡そうと思う。後、このアルバイトだが税金を納める必要はない事は先に伝えよう」
僕は直ぐに聞き返した。
「税金を納めなくて良いのですか?」
「
僕は頷く。
「それで今回私達が考えた案は
「奇跡?ですか?」
「さよう。奇跡つまり神のなす
「まぁ、何となくは分かります」
「奇跡に役立つのが私達宗教団体と言う訳だ」
僕は何となく
「つまり、宗教が起こした現象にすると言う事ですか?」
「おっ
僕はこれで良いのかと少し疑問に思ったが問題はないかと思った。
「わかりました。それではこのアプリポイントと交通費は
「ああ、そう思って貰って構わない。後、出来れば私の事は
「あっわかりました。これから
「ありがとう。それで今日はこの辺とまでにしておこう。あまり詰めすぎると良くないからな」
話はそこまでとなり僕とイブキは宗教団体オクトパスを後にしたのだった。
時刻は昼を少し過ぎていたので、僕とイブキは昼食を食べてから帰る事にし、駅前にファミリーレストランがあったのでそこで食事をする事にした。
「最初宗教団体と聞いた時はビックリしたよ」
僕は注文を終えた後にイブキに語った。
「確かにビックリするわよね。最初から
イブキがいきなり頭を下げて来た。
「ちょっとイブキこんな所でやめてよ。別に変な事された訳じゃないしさ」
「そっそう?なら良かった」
イブキは頭を上げながらホッとした表情になっていた。
「でもイブキと宗教団体とどう言う関係なの?」
「実はあの
イブキはそう言いながらウインクしてきた。
確かに自分の親戚が宗教団体とかは言いにくいよな。
「なるほどね。まあ、その事はもう言わなくていいよ。それよりこのタコショッピングモールのアプリの使い方と設定の仕方を教えてよ」
僕はイブキに教わりながら自分の個人情報の登録と荷物を届ける場所(僕の場合は自宅近くのコンビニ)を設定した。
「後は欲しい物があれば指定して購入すれば良いだけよ。簡単でしょ」
「簡単かは分からないけど、家に帰るまでに試しに何か購入して見るよ」
「それが良いわね。でも余り無駄遣いしていると直ぐにポイントなくなっちゃうよ」
「確かに気を付けるよ。その時はバイトを入れる様にイブキにお願いするよ」
「
イブキは僕をおちょくるように指で僕の腕をツンツンして来たのでやり返そうとしたが、そのタイミングでご飯が到着したので僕達は美味しいファミレスのご飯を堪能したのだった。
*
「皆の者、今日は神託の
「はい、かしこまりました」
数人の幹部が一斉に頭を下げた。
しかしこれは悪い事ではない。信じる者が多ければ多いほど熱は高まり寄付金も集まると言うものなのだ。
そんな事を考えていると次の話題へと議題は進んでいた。
幹部「次はタコショッピングモールのアプリの現状報告です」
タコショッピングモールのアプリとは宗教団体オクトパスが作成した専用アプリだ。商品の内容は現状ネットに存在する商品をまるまるコピーして、値段だけ1割近く上乗せして作成した物だ。アプリ使用者が購入を押すとそのデータは宗教団体オクトパスの集中コンピューターへと送られて、そこで内容を確認して実際のネットへの発注を行うシステムとなっている。
これにより誰が何を購入しているかなどの情報を一括で管理出来る為に考案されたシステムだ。
発注された商品は宗教団体オクトパスが運営する物流センターへと配送され、そこで
一件荷物の
名前はオクトパス運輸となっている。
社員のほとんどは宗教団体オクトパスの信者なのだが、請負体制は大手の物流会社より配送出来ない荷物を預かり代わりに配送するのを生業としているので、その荷物の中にタコショッピングモールアプリからの荷物を入れても対した事ではないのだ。
幹部「営業利益は前年度同様に変化はありません」
その後いろんな報告を受けて話し合いは終了したのだった。
*
これで購入できることが実証されたので思う存分にバイトが出来ると
*
俺の名前はシグナルスキャン。
今度の週末に久しぶりにイベントに出演する事になった。
普段ならイベントは忙しいのと余り利益がないので参加を見送っているのだが、とある懐かしい人物がゲストとして登場するので出演を了承した。妻のゆうこは『どうしたの?突然に出演なんて』などと言っていたが、気分転換だとお茶を濁しておいた。
俺の書斎に大切に保管してある物を再度見直すとそこには、若々しい姿で満面の笑みで写っている女性がいた。
そして写真の片隅には本人のサインが入れてあり、今これを売ればいくらになるのかな?と
早く週末にならないかなと久しぶりに心を踊らされるのだった。
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