第2話 2
2
私の名前はイブキ、
カタカナの名前を変なんて思った事は一度もない。理由は紙に自分の名前を書く事がほとんどないから。
私は気づいた時には宗教団体オクトパスの中で育った。両親が信者だった事からそうなった。世間的には
私が神託の
教祖
私は話の流れから私はこの時の為に存在しているのだと気が付いた。そして話の後に個別に教祖様に呼ばれて話をした。教祖様はとても優しく接してくれて、私は素直に心を開く事が出来た。それから定期的に教祖様と会う事になり、教祖様の事を時折り『おじい様』と呼ぶようになった。
それから私は何かをしたかと言われれば何もしていない。神託の
そんな感じで過ごして小学5年の終わりに初めて
それから私は
*
私の名前は、鈴木ゆうこ(旧姓 安藤ゆうこ)。
今は鈴木健一君の妻で、小学5年生の男子の母親でもある。
私は昔を思い出していた。
あれは、私と建一が日本一周の旅から帰って来た日の事。
私達は店の前に車を止めると見た事や関わった事のある人達が大勢待機していた。
待機と言うより待ち構えていたと言うほうが当たってるかな。
私達は逃げようとしたけど、直ぐに捕まって仕事の話をさせられた。
最初に話をして来たのが、厚生労働省
私は逃げる事は諦めて直ぐに段取りを組んで予定を入れた。
すると入れ替わる様に内閣情報調査室
総理の
その時に彼氏の健一君は…今でもため息しか出ないんだけど、周りの人達と談笑したりスマホで遊ぶ始末。もちろん、後で二人きりになった時に正座してもらい30分は説教させてもらった。私の
彼はそれに懲りたのかはわからないけど、依頼等は真面目にこなして行った。仕事も順調なように私達の恋も順調に育って行き、私達は流れるように結婚して子供が出来た。私が妊娠中に彼は驚くほど良く働いてくれた。だけど、子供が生まれてからはその反動?なのか子供と遊んでばかりで仕事をサボり気味になっていた。でも最近は息子が大きくなったせいなのか元通りになった。
今は順調に人生が回っているように思えるけど、私の直感なんだけど何か嫌な予感がするの。理由は少し前に
*
私は
東京を拠点に活動していた宗教団体オクトパスが10年程前にこの名古屋へと拠点を移した。
拠点を移した背景には教祖
ただハッキリ言える事は鈴木家を監視している事は間違いない。私共も陰ながらシグナルスキャンをサポートしている訳だが、宗教団体オクトパスの動きと言うより狙いがイマイチ良く分からない。
なので私はシグナルスキャンの妻であるゆうこに警告を発した。家族に問題が生じるであろうと。
今はそれだけしか言えないので私達は引き続き監視をするのであった。
*
時が流れて僕は中学へと進学した。
そこで懐かしい顔に出会ったイブキだ。しかしイブキは学ランではなくセーラー服を着ていたのだ。僕は悟った。こう言う時代つまり多様性の時代なのかと。僕は挨拶しつつイブキにこっそりと耳元で告げた。
「やあ、イブキ久しぶり。イブキってそう言う男の子だったんだね」
その瞬間に僕の頭にイブキの空手チョップがさく裂した。
「痛い!イブキ何するんだよ!」
僕は殴られた頭を押さえて叫ぶが、イブキは両手を腰に当てて言い放つ。
「私は正真正銘の女だ!」
「え!?そうだったの?いつも男の言動と態度だったし…」
そして僕は女性の特徴の胸を見つめてしまった。まな板の胸を。次の瞬間に僕の左頬にイブキの拳が直撃した。
「どこ見てるんだよ!これから膨らむ予定なんだよ!ぶざけんなよ!」
イブキは両手で胸を隠しながら言い放つ。これが久しぶりのイブキとの再会であった。なんともヒドイ再開だったけど僕は嬉しかった。引っ越しをしてしまった友人と又再開できる事を。そしてこれからの学校生活を。
それから僕達は指定された教室へと入った。当然?なのかそれとも偶然なのか分からないが僕はイブキと同じクラスになった。そして、あいうえお順で席に着くのだが僕の鈴木の『す』とイブキの
ちなみにイブキは陸上部へと入部した。昔、公園でかけっこをしたのを懐かしく思った。
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