オッパイ星人の使命

春風秋雄

俺も息子もオッパイ星人

俺は今、34年間生きてきて、人生最大の窮地に立たされている。このままでは俺の命が危ない。目の前のこの窮地をどうやって脱出するか、目まぐるしく頭を働かせて考えているが、まったく良い解決策がみつからない。俺の人生はこんなところで終わりを告げるのか。そう感傷に浸りかけていた時に、俺の左頬に衝撃が走った。強烈なビンタだった。

「何ジロジロ見てんのよ!早く出て行きなさいよ!」

目の前の、バスタオル1枚で前を隠しているだけの女性がそう叫んだ。その女性の顔は、まるで般若のような形相だった。俺は慌てて廊下に出て、脱衣場の扉を閉めた。そこでふと、我に返った。

「あのー、千恵美さん。どうしてお風呂に入っているんですか?ここ俺の部屋ですけど。部屋の鍵、どうやって開けたのですか?」

いつもは千恵美と呼び捨てにするのに、こんな時は、自然と「さん」付けで呼んでしまう。中から何も返事がない。俺の左頬はジンジンとしびれていた。

俺の声を聞いた孝太がドタドタと走ってきて俺の足にしがみついた。

「パパお帰りなさい」

いったいどういうことなのだ?俺は孝太に手を引かれてリビングへ行き、ソファーに座った。


俺の名前は望月孝介。34歳のサラリーマンだ。3年前に妻は病気で他界し、小学2年生の孝太と二人で暮らしている。両親が住んでいる実家は車で20分くらいのところなので、出張のときなどは孝太を実家に預けている。今日も出張で、状況によっては泊まりになるかもしれなかったので、明日は土曜日で学校も休みということもあり、孝太は実家に泊めてもらう予定だった。孝太が学校から帰った頃にお袋が迎えに来てくれることになっていた。だから当然部屋には誰もいないと思い、出張から帰って手を洗らおうと洗面所に入ったら、風呂から出た千恵美が立っていたという状況だ。

千恵美は、実家の隣の家の大久保さんとこの娘で、幼馴染だ。俺より2つ年下なのだが、男勝りの性格で、あいつが小学校3年生になった頃から俺は、喧嘩で千恵美に勝ったことがない。取っ組み合いの喧嘩になると、いつも俺が泣かされていた。あいつが優位に立っていることは大人になってからも変わらず、口喧嘩ではいつも俺が負ける。顔は可愛いのに、そのキツイ性格で彼氏も出来ず、32歳の今も独身だ。千恵美の親とうちの親は隣同士ということもあり仲が良く、俺が独身時代には千恵美を嫁にもらえと、お袋はうるさかった。でも、俺にはまったくその気がなかったので、職場で出会った女性と結婚した。妻の3回忌も終わり、孝太のためにもと思って再婚のための婚活を始めると、お袋は再び千恵美をもらえと言ってきた。俺としては勘弁してくれよという感じで、極力実家には行かないようにしているが、今回のように出張などで家を空けるときは、仕方なく実家を頼るしかない。だから早く再婚相手を見つけたいのだが、なかなかうまくいかない。すでに2人の人と婚活でいいところまでいったが、最後の最後に断られてしまった。


髪を乾かした千恵美が脱衣場から出てきた。

「あんた、また婚活で振られたって?」

「何で知ってるんだよ?それより、どうしてお前がいるんだ?」

「今日あんたとこに親戚からもらったリンゴをお裾分けに持って行ったら、おばさんが孝介はまた振られたと嘆いてた。そして今日はあんた出張でいないから、孝太の面倒をみてやってくれと頼まれて来たんだよ」

お袋のやつ、何勝手に頼んでるんだよ。絶対に何か企んでやってるに違いない。

「今日の夕食はハンバーグにしたから。残ったハンバーグはラップして冷凍にしておいたから、チンすればすぐに食べられるよ。今日は泊まるつもりで来たけど、あんたが帰ってきたなら、もう私は必要ないね。じゃあ、私は帰るから」

「車はどこに置いたの?」

「向かいのコインパーキング。私の車に気づかなかった?」

千恵美は真っ黒のランドクルーザーに乗っているので、昼間は目立つが夜は闇に紛れて目立たない。

「気づいていたら脱衣場の扉を開けたりしないよ」

「あら、てっきり私の裸を見たくて入ってきたのかと思った」

「何言ってるんだよ、そんなわけないだろ」

「私の裸でもいいから見たいなんて、相当女に飢えているのかなと心配したけど、そうでないならいいや」

俺は、言い返す言葉すら見つからなかった。


千恵美が帰ったあと、孝太が余計な報告をしてくれた。

「今日ね、千恵ちゃんとお風呂に入ったんだよ」

「へえー、そうなんだ」

「千恵ちゃんのオッパイ、ママより大きいよ。こーんなんだったよ」

孝太は胸の前にスイカを抱えるような丸を作った。

「そんなに大きいわけないだろう」

俺は少しムッとして言い返した。

「本当だって、こーんなに大きかったんだから」

孝太はさっきより大きな輪を作って言った。

俺は、妻より胸が大きいと言われたことにムッとしているのか、俺が見たことがない千恵美の胸を孝太が見たということにムッとしているのか、自分でもわからなかった。それにしても、どうやら孝太は、胸の大きな女性が好きなようだ。間違いなく俺のDNAを受け継いでいると、思わずにはいられなかった。


結婚相談所で紹介してもらった3人目の女性と、3回目のデートで初めて孝太を連れて3人で会った。相手の女性が俺好みの女性であるに越したことはないが、俺としての第一優先は、孝太とうまくやってくれることだった。過去の2人は、いずれも孝太と一緒に食事をしたあとに断られた。自分の子供だから贔屓目に見ているのかもしれないが、孝太は扱いやすく、見た目も可愛い子だと思うのだが、相手の女性からは、そうは見えないのかもしれない。小学2年生というのも微妙な年齢かもしれない。もう少し幼ければ自分で育てるという感じになるし、中学・高校であれば、ある程度わきまえた対応ができる。小学生の低学年というのは、生意気盛りで、扱いにくいと思われるのかもしれない。

案の定、3人での食事会の数日後に、紹介所経由で、お断りの連絡があった。断りの理由を尋ねてみたが、無難な返答が返ってくるだけだった。俺の婚活は思った以上に困難のようだ。


孝太の夏休みに、バーベキューに行くことになった。俺が出張でいない間にお袋が段取りをして、千恵美を含めた3人で行くことになっていた。

「何で千恵美もいるんだよ」

千恵美が運転する行きの車の中で千恵美に言うと

「知らないわよ。おばさんが孝介と孝太の二人だと準備が出来ないだろうから手伝ってやってほしいって言うんだもん。それに山に行くなら私の車の方が便利だろうとも言われて」

お袋の戦略が手に取るようにわかる。おそらく、俺と千恵美をくっつけるには、まず千恵美と孝太を仲良くさせようという魂胆だろう。ターゲットにされた孝太は、すでに戦略にはまって、千恵美とかなり仲良くなっていた。千恵美の方も俺には相変わらず素気ないが、孝太に対しては笑顔で優しく接しており、意外と子供好きなのかもしれないと思わせる面があった。

1時間ほど車を走らせたところで山道に入った。山道と言っても舗装され対向車とすれ違える広さはある。山道を20分ほど走ったところにキャンプ場があった。すでに予約してあるらしく、受付をすると敷地内にあるバーベキュー場に案内された。千恵美は車の荷台から次々に荷物を降ろす。本格的な道具が揃っていた。

「こんな道具持ってたのか」

「会社の人とよくバーベキューはするからね。ここにも何回も来ているよ。うちの家族と一緒に孝介のご両親とも来たことあるよ」

全然知らなかった。

火起こしから段取りよくバーベキューの準備が進む。確かに俺一人では無理だった。前もって下ごしらえがしてある肉や野菜をクーラーボックスからどんどん出して焼いていく。運転は自分がするから孝介は飲めばいいよとビールを渡されて、お言葉に甘えて俺はビール飲んだ。俺は何も手伝うことなく、飲んで食べておけばよく、至れり尽くせりだった。

お腹がいっぱいになったところで、千恵美は炭の片づけを始めた。水をはったバケツにひとつずつ炭を入れている。火が完全に消えたら炭捨て場に持って行くのだという。俺はお腹いっぱいになったのと、ビールのほろ酔いで、座り込んだまま千恵美にまかせっきりにしていた。炭を捨てに行った千恵美が慌てて帰ってきた。

「やばい!雨が来る!急いで片付けて!」

空を見上げたが、青空が広がっていて、雨なんか降りそうにない。

「雨なんか、降りそうにないよ」

「山の天気は変わりやすいんだよ」

千恵美はそう言ってスマホの画面を見せた。そこには雨雲が接近中になっていた。俺たちは大急ぎで片付けをした。網や食器を洗っている暇はないので、汚れたまま大きなビニール袋に入れ込んで車に運ぶ。そうこうしているうちに、空がどんどん暗くなってきた。最後の荷物を持って3人で走って車に向かっている最中に土砂降りの雨が降ってきた。周りで呑気にバーベキューを楽しんでいた人たちは大騒ぎだった。何とか車に乗り込んだが、3人ともびしょ濡れだった。

「ひどいなあ、パンツまでビショビショだよ」

「孝太は?大丈夫?」

千恵美が心配そうに後部座席の孝太を見ながら聞いた。

「ボクもビショビショ」

「体が冷えたらいけないから、エアコンは切って走るね」

千恵美はそう言って車を発車させた。

しばらく走っていると、体が冷えてきた。着替えなんか誰も持ってきていない。さすがに孝太のことが心配になってきた。その時、千恵美が前を指さして言った。

「あそこに入って、とりあえず体を温めよう」

千恵美が指さした先にラブホテルの看板が見えた。


部屋に入って、先に千恵美と孝太を風呂に入らせた。二人が風呂に入っている間に孝太の服を固く絞って、ハンガーに吊るした。千恵美の服も干した方が良いだろうと思い、とりあえず了解を取ろうと声をかけてそう言うと、

「触るな!ボケ!」

と返事があった。

二人は風呂から上がったようで、脱衣場でキャッキャ言っている。ドライヤーの音がするので、孝太の髪を乾かしているのだろう。しばらくすると、二人が出てきた。千恵美は備え付けのバスローブを着ている。孝太はバスタオルを羽織って飛び出してきた。

「孝太、布団の中に入って寒くないようにしてなさい」

孝太は布団にダイブしてから中にもぐりこんだ。千恵美の髪は濡れたままだった。

「髪乾かしたら?」

「先に孝介が風呂に入りな。体が冷え切っているでしょ?孝介が風呂に入っている間に乾かすから」


俺が浴室から出ると、俺の服も下着もなかった。バスローブを着て、ドライヤーで髪を乾かしてから脱衣場を出た。ハンガーが足りなかったのだろう、俺の服と下着は、テーブルに広げてあった。千恵美の服と下着はソファーにかけてあった。

「下着を見るな!変態!」

ベッドから千恵美がするどく言い放った。

ベッドを見ると、どうしてそんな並びになっているのか、孝太が一番左端に寝ていて、その隣に千恵美が寝ている。残ったスペースは千恵美の隣の右端しか空いてない。孝太は疲れたのだろう、寝てしまったようだ。

「孝介も布団に入りなよ」

千恵美はそう言って布団をめくって、ここに入れと俺のスペースを示した。その時、千恵美のバスローブの合わせ目から太ももが見えた。俺は思わずドキッとした。千恵美の太ももにドキッとするなんて、俺はどうかしていると思いながら布団に入った。千恵美と同じ布団に入るなんて、幼稚園の頃以来だ。

「なんか、千恵美と同じ布団に入っているなんて、変な感じだな」

「私の色気にムラムラしてきた?」

「お前なんかにムラムラするかよ」

「またあ、やせ我慢して。まあ、ムラムラしても弱虫孝介には私を襲う勇気はないでしょうけどね」

こいつは、いつもこうやって俺をバカにしてくる。ちょっとむかついた俺は、千恵美に覆いかぶさって上から千恵美の顔を見ながら言った。

「勇気がないんではなくて、俺も大人だからわきまえているだけだ。あまり挑発すると、本当に襲っちゃうぞ」

俺は、いつもの口喧嘩のつもりだった。ちょっと脅かしてやろうというくらいにしか思ってなかった。当然千恵美はいつものように言い返してくるだろうと思っていた。しかし、千恵美は何も言い返してこなかった。千恵美の目はジッと俺の目を見ている。その目は少女の目だった。まだ千恵美が小さくて、弱っちい頃、俺の後をくっついて俺を頼っていた頃の目だった。俺は胸がドキドキしてきた。やばい。このままだとどうにかなってしまう。俺は視線を外して布団から出た。

「服をドライヤーで乾かすよ。早く乾かさないと、ここに泊まることになっちまうからな」


バーベキューから2週間くらいした頃、会社帰りに思わぬ人にバッタリ会った。結婚相談所で紹介してもらい振られた3人目の人、確か名前は北山幸子さんだった。向こうも俺に気づいたようだ。

「北山さん、どうも、お久しぶりです」

「望月さんでしたよね。お元気でしたか?」

「おかげさまで。どうですか、婚活はうまく行っていますか?」

「うまくいっているのかどうか、とりあえず新しい人を紹介して頂いて、2回ほどお会いしました」

「そうですか。北山さんならうまく行きますよ」

「望月さんはどうなのですか?千恵さんという方とうまくいっているのですか?」

「え?それはどういうことですか?」

「あら、孝太くんのお母さんになる第一候補は、千恵さんと言われる方だと聞きましたけど」

「それは誰にきいたのですか?」

「孝太くんです」

俺は詳しい話を聞くために、北山さんを喫茶店に誘った。


「孝太くんと3人で食事した、あの日、途中で望月さん電話がかかってきて席を外されましたよね?」

確かに、途中で部下から取引先とのトラブルの件で電話があり、10分ほど席を外した。

「あの時、孝太くんが私に言ったんです。おばさん、オッパイ小さいねって」

「えー、そんな失礼なこと言ったんですか?」

「それは別にいいんです。実際、私そんなに大きくないですから。そのあと孝太くんが言ったんです。パパはオッパイ星人だから、オッパイ大きい人でないとだめなんだよって」

「あいつ、何言ってんだよ」

「孝太くん、お母さんに聞いたことがあるそうなんです。テレビで離婚のことを言っていて、離婚って何?とお母さんに聞いたら、パパとママが夫婦でなくなって別々に暮らすことだと言うから、ママとパパは離婚しないよね?って聞いたそうなんです。そしたら、ママはオッパイが大きいから大丈夫だよ。パパはオッパイ星人で、オッパイ星人はオッパイが大きい女性を守るのが使命なので、オッパイが大きい人はオッパイ星人と結婚すると離婚せずに幸せに暮らせるんだって答えてくれたそうです」

どんな話だよ!と思いながらも、俺は妻の言葉に胸の奥が熱くなった。

「じゃあ、おばさんはパパと結婚しても幸せになれないかな?って聞いたら、おばさんはママより小さいからダメかもねって言われてしまいました。だって、ママはオッパイ大きかったけど、パパはママのこと守れずにママは天国へ行っちゃったんだもんって言うんです」

俺は涙が出そうだった。

「じゃあ、パパがもう一度結婚する相手を見つけるのは、なかなか難しいねと言うと、千恵ちゃんならママよりオッパイが大きいから大丈夫だよって言うんです」

そこで千恵美の名前が出たんだ。

「千恵ちゃんってどんな人?って聞くと、孝太くん、色々話してくれました」

「いや、千恵ちゃんというのは、私の幼馴染で、そういう対象の女性ではないのです」

「そうなのかもしれませんね。身近にそういう女性がいるのに婚活をされるはずないでしょうから。でも、孝太くんの話を聞いていて、孝太くんは千恵ちゃんが大好きなんだな、本当は千恵ちゃんに新しいママになってほしいんだなって思いました」

俺は、何も言えず、ただ黙っていた。

「私は、あの時点では、まだ引き返すことができました。このまま私が望月さんと結婚してしまっては、孝太くんが可哀そうだなと思って、私の方からお断りの連絡を入れさせて頂いたのです」


俺の仕事は月に1度は出張が入る。今回の出張は日帰りだったが、実家には泊まりになりそうだと言って孝太のことを頼んだ。予定通り孝太が実家に泊まるのであればそれでいい。その時は、久しぶりに一人で過ごそうと考えていた。マンションの前に着いた時、向かいのコインパーキングを見た。闇に紛れるように、真っ黒なランドクルーザーが駐車していた。今日はこの前より時間が遅く、10時半を回っている。もう二人は寝ているかもしれない。

部屋に上がると、脱衣場のドアが閉まっていて、耳を澄ますとシャワーを使っている音がする。今日は台所の流しで手を洗うことにした。孝太の部屋に行くと、孝太はもう寝ていた。千恵美はどこで寝るつもりだったのだろう?布団は予備が一組、押し入れに入っているが、まだ寝る準備はしてないようだ。俺は部屋着に着替え、冷蔵庫からビールを出した。リビングのソファーに座ってビールを飲んでいると、脱衣場のドアが開いた。千恵美がバスタオルを巻いた姿で出てきた。そして、俺に気づくと目を見開いて

「何であんたがいるのよ!」

と言って、手に持っていたヘアーブラシを投げつけてきた。それは真っ直ぐ俺の顔面に向かってきた。間一髪、俺はそれを避けた。その間に千恵美は自分の荷物を置いている部屋に逃げ込んだ。しばらくして、千恵美はパジャマ姿で出てきた。

「孝介は泊まりだと聞いていたから、今日は泊まるつもりで着てきた服、洗濯しちゃったじゃない」

「泊まればいいじゃない」

千恵美はジッと俺を見た。何か言いたそうだったが、何も言わない。

「千恵美も飲むだろ?」

俺はそう言って冷蔵庫からビールを持ってきた。ソファーに座った千恵美にビールを手渡すと、その横に俺は座った。

千恵美がグビッとビールを一口飲んだのを見て、俺は言った。

「なあ、千恵美」

千恵美が俺を見る。俺も千恵美を見返しながら言葉を続けた。

「孝太の母親になってくれないか」

ジッと俺を見ていた千恵美が視線をはずして口を開いた。

「私は別に、孝太の母親になりたいわけじゃないよ」

俺は千恵美の言いたいことがわかった。

「わかった。今の言葉は取り消す。忘れてくれ」

千恵美が少しすがるような目で俺を見た。

「もう一度、改めて言います。千恵美、俺の奥さんになって下さい」

千恵美は、何も言わず俺の目を見つめていたが、次第にその目が潤んできた。そして、ようやく口を開いた。

「私なんかでいいの?」

「俺には千恵美しか考えられない」

「それは孝太の母親としてということでしょ?」

「いや、俺の奥さんとしてだ」

千恵美は俺に抱きついてきた。

「ずっと、ずっと、子供の頃からその言葉を待ってた」

「うん、遅くなってごめんな」

「私、幸せになれるかな?」

「なれるよ。千恵美はオッパイが大きいから」

「え?何それ?」


俺は心の中で天国の妻に聞いた。

オッパイ星人は、オッパイが大きい女性を守る使命がある。

そうだろ?

だから、俺は千恵美と結婚してもいいよな?

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