赭坂-akasaka-

第2話 「赭坂へ」

男は赭坂へますます興味をもち、赭坂の過去についての調べるためにも、一度自宅に戻ることに決めた。

数日間、自宅に戻った間も男は赭坂での経験を思い返していた。

男の自宅は都心にあり、平穏で静かな住宅街に位置していた。男は書斎に入り、大量の資料や本を机に広げた。

赭坂、そして赭坂神社に書かれてた火の坂に関する情報を集めるために、男性はインターネットや古い書物、学術論文などを熟読した。しかし、男が探している詳細な情報は見つからず、赭坂についての歴史は謎のままだった。

男は諦めきれず、赭坂への移住を考え始めた。一時的でもその土地に住むことで、より深く赭坂の謎に迫れるのではないかと感じたのだ。

赭坂の不動産情報を調べると、男は一軒の古民家が売り出されていることを発見した。その民家は赭坂の土地の中でも名前の由来になったであろう坂近くに位置しており、男にはこれ以上ないほど理想的な場所だった。

男は即座に連絡を取り、古民家の内覧を予約した。翌日、車で片道3時間かけ、男は再び赭坂に向かい、その古民家を見に行った。

民家は年月を感じさせる風格があり、周囲には緑豊かな庭が広がっていた。男は内部を探索し、その古民家が自分の新しい居住地となることを確信した。

そうしてまた車で3時間かけ自宅へ戻ると翌日には男は手続きを進め、荷物を詰め始めた。

数週間後、男は再び赭坂に戻った。男は新しい生活のスタートを切るために、自宅の鍵を持ち、古民家に足を踏み入れた。

男は自分の新しい環境に馴染むために、赭坂の人々と交流を深めることに決めた。

「なぁ、おにいちゃん腕が痛いんだよ」

村の人々との親交を築き、赭坂の秘密を探るための情報を集めることに力を注いだ。

「なぁに、どうしましたか？」

次第に男は、赭坂の謎を知るに必要な土地勘などの知識やつながりを得ていった。男は自身の医師免許を活かし、村の人々の健康相談や診療にも携わるようになった。

男は自身の移住と村の人々との交流を通じて、赭坂の謎に近づくことをこの時は心待ちにしていた―――。