舞の相手
「
白い息を吐きながら話す善道に、貫之は白い溜息をつく。
「そういうことを先に聞かせないでください」
「
「それほどですか…」
「それほどだよ」
藤原叔子に気に入られた理由を、善道は知っているのに、貫之に話さない。
「どちらも帝となれる身なのに、どうしても
在原業平の名を聞けば、貫之が父を殺されたことを思い出してしまうからだ。
「ひとつひとつを見れば、できているのに、全てが
「そういう人は、いらっしゃいますよね…」
「あと
「章成も、早く治るといいですね」
「貫之が、相手を完璧に舞えるようにしてくれるまでは、休ませてあげようよ」
「そんなにひどい相手なんですか」
「ひどいね。ひどいよ」
貫之と善道は白い息を吐き、話しながら、歩いて行く。
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