第37話 女神これでどうでしょうか

ーー 衛生管理


女神は変化それも生活を楽しく安全にすることを求めている気がする、故にまずは安全について人々に教え込まなければならない。


子供の生存率と人々の病気の罹患率を上げ下げしてみよう。


簡単なことは、手洗いうがいと体を清潔に保つことだ。

この世界には石鹸が無い、全く無いと言うわけでは無いが質の悪い植物由来のものだ。

それに魔法があまり発展していない、浄化や癒しの魔法が使えればかなり生存率が上がるはずだ。


そこで

・石鹸を作りそれを教えて普及させる

・手洗いや身体を清潔に保つことが大切なことを教える

・浄化や癒しの魔法が使えるものを育てる

を最初の目標にした。



ーー 栄養価のある美味しい食事


体を清潔に保った後には美味しい食事であろう、美味しければ活力も力も漲るはず。


その為には栄養価の高い食材と調理法を教える必要があります。

栄養価の高い食材は、田畑の改良と農耕の技術革新だよ。


土魔法のスキルを与えるのもいいだろう。



ーー 安全ない家と暖かい寝具と服



安全は身体だけではない、身を守る家も大事でありより良い睡眠も大切です。

規格を統一した建築資材を使い頑丈で機密性の高い家を作る必要があります。

建築のスキルである木工・土工・革・布職人スキルを与えてより良い家を作らせよう。

布団やカーテンに洋服も大切な品物だ、型紙を使う洋服作りから羽毛や羊毛を使う寝具作りを教え込まなければね。



ーー 娯楽も大事よね



衣食住と充実してくれば当然人は娯楽を求める、娯楽にはいろいろあるが手っ取り早い物としては

・音楽・歌・演劇

・賭け事

・スポーツ・競技・闘技会

であろう、音楽は楽器を作ればいいが、競技となるとこれは身を守るスキルと戦うスキルの競争のようなものだろう。

そこで文化的なものと身体を使う運動的なものに分けて本に似合ったスキルを与えてみようと思う。



ーー さあ改革の始まりだ!


まずはこの内戦を終わらせねばならない、その手段は

・絶対的な戦力を持って反乱分子を蹴散らす

・女神の威光持って秩序と平和をもたらす

・出来れば次の国王は、争いを企てた王子たちには任せなくメネシス王女あたりになってもらおう。


ー 反乱分子の大掃除


飛行船にメネシス王女の紋章入りの旗を立てて、出発!

先ずは最初にメネシス王女を狙った第二王子から、1時間もせぬうちに第二王子がいると思われる屋敷を見下ろす上空に到着。

私は拡声魔道具を使い

「愚かなるアトラント王国の王子に注ぐ、武装を捨てて我が前に1人で出てきなさい。私は女神の使いである。10分以内に門から出てきなさい、さもなくばこの屋敷ごとチリにします。」

と伝えた、下の方では大慌てのようです。

上空の飛行船に気付き弓で撃つものが出てきましたが無駄骨。

10分が経過しました

「愚かなる王子よ時間だ、女神の鉄槌を受けよ!」

と言うと私はあるボタンを押した。

「ドーン!」

と言う低い音がここえたかと思うと屋敷が潰れた。

空気砲のような攻撃であるがその圧力は凄まじく堅牢な城でも吹き飛ばせるほどなのです。


「今一度言う、私の前に出てきなさい次は燃やして灰にしますよ。」

と拡声魔道具で伝えると、何人もの生き残りが屋敷の下から這い出て我先にと逃げ出した。


その中の1人を見てメネシス王女が

「あそこの男が第二王子です。」

と指差す先に騎士の鎧を着込んで必死に逃げる男らが3人。

するとクロがドラゴンの姿でその男らの前に立ち塞がる


「女神の声に従わぬ不心得者よ!ここで我に食われて消えるが良い。」

と言いながら大きな口を開けた、これで3人とも気を失った。

そそくさと3人を捕縛して飛行船に拉致。


そんなことを繰り返して争っていた5王子を全て拉致して王都に向かう。


飛行船の奥に押し込められている5人はお互いを意識してはいるが、これから先自分らがどうなるか不安で言葉を発することすらできない状況だ。


ー 王都で国王に会う



王都の王城の上空に飛行線を停止させて

「王城の王族に次ぐ!我は女神の代行者なる。不心得なる王子5人を捕まえてきた、国王は我が前に姿を現すがいい。」

と拡声魔道具で王都中に響くような音量で告げた。


すると左右の肩を支えられながら1人の豪ジャスな服装の男が最上階のテラスに姿を現した。

「お前がこの国の国王か?」

私は威厳たっぷりに問う。

国王と思われる男は、不確かな足取りで膝をつき頭を垂れると上を向きなおり

「女神の使徒様に申し上げます。私がこのアトラント王国の国王を務めますベネシスです、我が愚息らが女神の逆鱗に触れる過ちを犯したこと我が身の不徳の致すこと、お叱りはこのベネシス1人でご勘弁いただきたい。」

と言うと再度頭を下げた。


これを見ながら私は

「お前1人を罪に問おうとも息子らがあれでは同じ過ちを繰り返すのみであろう、如何するつもりか?」

と再度問うと

「愚息らは全て王族の籍から除籍し女神の許しを得られれば娘を次の国王としたいと願えます。」

と答えた。

「相わかった、その考え夢夢帰ることは許さぬと思え!」

と答えると飛行船を空高く移動させて肉眼では確認できない高さから移動を始めた。


するとメナシス王女が国王の姿に涙していた。

「大丈夫?貴方をエルテ侯爵家に降ろした後にあのバカ兄貴たちを王都の周辺に捨ててくるから、貴方は侯爵とゆっくりと王都に出てきなさいね。」

と言いながら4時間ほどで彼女を降ろせた。


後はこの5人をどうすつかだが・・・取り敢えずクロに縛り上げた5人を鷲掴みにして王城の中庭に捨ててくるように頼んだ。

飛行船の次は真っ黒な竜が王子を掴んで来たのを見た王城の兵士らは、地面に頭をくっつける様な姿勢で平伏して黒竜の去るのを待ち続けた。

ただ1人ベネシス国王だけがその様子を見守っていたが、黒竜が去ると

「あのバカ息子らを牢に入れておけ!」

と兵士に言いつけてガックリと肩を落としていた。


そう言えば国王は最近体が不調ということを聞いていた私は、メナシス王女に

「これはよく聞くポーションよ、国王にあったら飲ませてね。」

と言いながら最近作れ始めたエリクサーを3本渡した。


多分あれを飲めば体調だけはかなり若返るから、精神的に娘を国王にする為に思い直せば暫くは大丈夫だと思うの。



ーー 6ヶ月後



あれから半年が経過した。

国王は精力的にメネシス王女を後継にするために国王の仕事を教えているようだ、息子らは王族籍を外し男爵位まで落として田舎の領地にそれぞれ押し込んだようだ。

この仕置きは女神の意思ということで終生変わることはない、その為後ろ盾になっていた貴族らも代替わりをして全くもと王子らの元には顔を出さなくなった。


その後今度は自ら汗を流して領地を富ませなければならない元王子らは、3年もしないうちに2人がアル中に2人が怪我や病気で早逝し、残りの1人が何とか領地運営を頑張っている状況になるのだが、何も知らないお飾りの王子様たちだからしょうがないとも言える。


ーー 2年後に女王誕生日



2年後にメネシス王女は晴れて女王として戴冠をした。

王国民は女神に祝福された女王誕生に今度こそは良い世の中が来るとかなり盛り上がったみたいだ。

だから私もその時はこっそり移動してきて、空を駆ける黒竜と真っ白いフェンリルに跨る私の姿を見せにきたのだ。

その時私は穀物を豊作になるように農業関係のスキルと魔力でアトラント王国城を満たしたのだが、その成果は30年ほど続いたみたいで女神に愛された王国として永く平和が続いたようだ。


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