第16話 私の役割

ーー 文明開化と私の役割


女神とあって2年、私は16歳になっていた。

もともと背が高く大人びていたスレンダー美人の私もチョッピリ出るとこは出て大人の女風になりつつある。(進行形です、はい)


鉄道網が完成したので国王を呼んで開通式という運びとなりました。

この鉄道風魔道具のエンジンの開発には少々時間がかかりました。

始めは1人を運ぶバイクエンジンの開発からスタートしたのです、そのあとは二人乗り、荷台を引く形とパワーとトルクを上げていって、車形式(馬車タイプ)になるのに一つの壁が。

エネルギー効率が悪くて、魔石をかなり無駄使いした。


結局大気中にある魔力を吸収し、さらに太陽光のエネルギーを動力に変換するハイブリットタイプで何とか必要な出力を得たんだけど。

次の壁は汽車タイプの大重量の乗り物と大人数の運搬に必要なトルクを出せるかと言う事だったんだけど、魔法があるのをすっかり忘れていた私。

重量軽減魔法や風魔法の応用でバイク一台を動かすエネルギーで十分だと判明、そうなると後は簡単、大型船や飛行機まで直ぐに完成させた。

ただね、運用する人、運転する人の教育を忘れていたの、それが次の壁、時間んがかかることをほっぽり出してたから2年かかったの。


鉄道は最初の計画通り高架にしたわ、魔物や知らない旅人が跳ねられないようにね。

最後に盗賊やそれでも襲ってくる魔物対策に迎撃用の魔道具を冒険者と共に運用させたことかな、冒険者の仕事を奪うわけにはいかなかったし、安全は重要よね。


平らな街道は移動用魔道具には必要で、その為道路舗装工事用の魔道具も作ったわ、1日5kmの舗装工事が出来る魔道具を10機作りフル活動したのよ。

1日50kmもの舗装が出来ると王国内の街道はあっという間に舗装されて、品物の流通が飛躍的に上がったの、それまで地元しか食されていなかった食材や熱や振動に弱い素材も問題なく運搬できるようになった。


私の愛車は、見本も兼ねて

・魔道バイク

・魔道馬車

・魔道プレジャーボート

・魔道小型飛行機

を揃えて離れた場所に行く際はこれ見よがしに見せびらかすように乗り付けて宣伝したのよ。

街道の整備されていない外国には、オフロード用のバイクと車または小型飛行機で移動してみせたのよ。

それからのスーザン王国の発展は著しかった。

国王自ら陣頭指揮をとり私の発明品を取り入れた政策を行ってくれたの。

次に聖王国ね、何故だか私の作る魔道具を真っ先に注文するのがあの国と教会なの、だからね教会関係者の生活が豊かになるようなものも大いに作ってみたわ。

今では教会内に映し出される荘厳な女神の姿のホログラムなんかが評判いいわね。


当然庶民の生活にも豊かさと潤いを与えるために、低価格の魔道具を製作させたの。

魔道コンロはもとより、魔道オーブン、魔道洗濯機、魔道ヒーターなど辛い作業を楽して時短でできるように。

衛生面は重要事項だった、大都市の地下に下水道を張り巡らせて街中から臭いの元を消したの、個人には石鹸と身体や髪を洗う物に食器を洗う洗剤も開発したの、それまで水洗いだけだったので食中毒が多かったの。


子供の死亡率を下げるために、母親に対して妊娠中に教会で衛生面や子育てにおける注意事項を何度も教えると共に、シスターが現場での確認や監視もさせたわ。

そのお陰でほとんどの子供が問題なく育ち出したの、そうすれば人口が増えるのよね。


農村に向かい食料の収穫量増大の手助けのために、農耕器具の開発と無料貸出、田植えや肥料などの問題輪作障害回避など記憶にあるものを引っ張り出し後は魔法でなんとかよ。

今ではスーザン王国の穀物の収穫量は以前の10倍ほどにまで上がったわ。


人々は生活が豊かになると娯楽を求め出すの、それは旅であったりものを購入することしかなかつた人たちにとって、大きな問題だったの。

そこに私の地球の知識が炸裂よ。

カードゲームから定番のリバーシにチェスもどき、闘技場での戦いを観戦し賭けるだけだったものに、馬や犬のレースに人の身体能力の競い合いなど記憶にある競馬やオリンピックを真似てみたの、そしたらこの世界の人もそんな娯楽に飢えていたのね。

4年に一回の開催と銘打って開かれるオリンピアがこの世界最大のお祭りになったわ。


当然剣技や格闘術の大会も種目に入れて多くの人が参戦できるようにしたのも良かったと思う。

これには女神も大喜びで何と一応用意していた女神の観覧席に降臨した事が数十年に一度の頻度で始まり出したのよ。


こんな文明開化を計画立案し実施している間にあっという間に10年の月日が流れたわ。

私も26歳になったんですが、まだ私の身体は背以外は発展途上な部分が多く・・・。(おかしいわね)

その頃になると国王だけではなく王妃のスイフトさんまで

「セシル様いつ結婚するのですか?貴方のその大切な血を残さないのは神に対する冒涜ですわ。」

と言われ始めたの、でも私不老不死なのよね。

私の側近や親しい物たちの近況を報告するね。


女神の五指の5人は、20歳前後の働き盛りとなりました。

でも誰も結婚しないんだよね、どうやら私がしないために同じように「生涯を女神様に捧げます」と言っているそうなの、でもね私知っているによ誰と誰が思い合っているか。

きっとくっつけてあげるからね。


私に領地の代官をしていたデカント兄妹、最初の領地を兄のトールに次に貰った領地を妹のメーテルに与えて領主にしたの子爵と子爵にね。そしたら2人とも最初は拒否していたんだけど、

「いつでも戻ってきて構いませんのでそれまで領地を預からせていただきます。」

と言ってくれたわ。

私知っていたのよ2人は亡国になっていたが高位貴族の子供だってね、今では昔の親族や世話になった人々も呼んでいたこともね。


私の屋敷に勤めていた8人はね、料理会の伝説やメイドの鏡、魔道車のマスターなどと呼ばれるようになって今では新人を教え育てるのが仕事になっているの、当然執事のセバスチャンみたいに60歳近くになって引退した人もいるけど、健康の果実を与えたから死ぬまで元気よ。


ここまで話すとわかると思うけど、スーザン王国の発展はこの世界では異常なほどで、ここだけが発展しても異物なわけで・・・という訳で聖王国の招きもあり私は、聖王国とそれ以外の国に女神の頼みをかなえに向かうことにしたの。

共はタロウと女神の五指の5人と黒竜の人化したクロで、新たな旅の始まりよ。

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