第4話

『すいません、冒険者にはどこでなれますか?』

男女4人組で、リーダーの様な剣を背中に背負った人に声を掛けてみた


『なんだ?子供か、そりゃギルドに行けばいいじゃねーか』

戦士風はそう答えてくれた、冒険者ギルドがあるのかな?


『ちょっとシン、その子はそのギルドがどこにあるのか聞いてるのよ、バカでごめんねー、私たちも今からギルドに行くから、一緒に行く?』

戦士風の人の代わりに弓を背負った女性が答えてくれた


『はい、お願いします』

ペコリと頭を下げその4人組についていくことにした


『私の名前はエマ、君は?』

あっ名前か〜、シンやエマか・・・和名だと浮きそうだよね


『ノエルです』

僕はふと思い浮かんだ、好きな絵本作家の名前を口にした


『ノエル君ね、冒険者ギルドを知らないって、この町は初めてってことだよね?』

『はい、田舎から出てきました』

『ふ〜ん、言葉遣いも丁寧で、整った容姿だから貴族とかじゃないよね?もしそうだったらごめんね』

『いえいえ、平民ですよ』

『良かった、じゃあ魔道具を授かったから冒険者になりにきたんだ』

『そうですね』

会話をしながら歩いていると、建物の前でエマさんが止まった


『着いたよー、ここが冒険者ギルド』

大きな建物だ、入り口は両扉を開けっぱなしにした状態だ、奥に見えるのは受付嬢達だろうか?並んでいる冒険者の対応をしているようだ


『あそこの右端で話を聞いてごらん』

『ありがとうございました、エマさん』

『ううん、じゃあねノエル君』

結局喋ってくれたのはエマさん一人だけだったな


受付へいくと若い女性が並んでいる、右端だったな

『すいません、冒険者になりにきたのですが』

『冒険者登録ですね、お若い様ですが魔道具はお持ちですか?』

『はい、あります』

『なら大丈夫ですね、こちらの水晶に手をかざして下さい』

言われるまま、水晶に手をかざすと、カードサイズの鉄のプレートが作成され、Gと表記されていた


『はい登録が完了いたしました、これからよろしくお願いします』


プレートを受け取り、そのまま流れでその場を離れてしまった


で、これからどうすればいい?どうしよ・・・


途方に暮れているとエマさんが声を掛けてくれたのだ

『登録できたんだねー、Gか懐かしい響き』

ランク分けされているだろうな

『はい、エマさんはランク?はいくつなんですか?』


『ふふ、私たちはねー、じゃーん』

そう言われてプレートをみるとCと表記されている

『おぉ!?C、かなり有名な方だったのでは・・・』

『有名って訳では無いけどね、ある程度知られてるくらいだよ』

『そんな方達とはしらず、気軽に声を掛けてごめんなさい』

『ううん、別に私たち自信はそんな有名とか思ってないから気にしないで、ついでだからギルドの事教えてあげようか?』

『いいんですか?僕としては嬉しいですが』

エマさんは優しいな、知り合いなんていない異世界だ、その言葉に甘えることにした


『田舎から出てきたなら、右も左も分からないよね、こっちおいで』

エマさんに着いて行くと、ギルドの中にある酒場の様な場所に行き、先ほどの3人もテーブル席に座っていた


『いいんですか?皆さん集まっていたようなのですが』

『もう仕事が終わったからね、ノエル君がギルドの事知りたいらしんだけど、シンいいでしょ』

『さっきの小僧か・・・まぁいいじゃね』

シンと言う人はそう言って大ジョッキを口に持っていき傾けた

『私もいい』

と白を基調としたゆったりした服の女性

『・・・』

褐色の肌の大男は黙って頷いた


『ノエル君ごめんね、この人達悪いやつらではないんだけど、人見知りするんだ』

『いえいえ、お邪魔しているのは僕の方なので』

なんだ人見知りか、Cランクだから、力に溺れかけている人達かと思っちゃった


『それじゃあ何から知りたいの?』

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